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第2特集
「日本一カッコいい男」白洲次郎の"正体"を暴く!! 【2】

書籍に雑誌、宝塚にTシャツまで!? "白洲ブーム"徹底チェック

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 白洲次郎を語るには、切り口がありすぎるほどある。ひとつは、歴史とそれに付随する「従順ならざる唯一の日本人」としての精神論。2つ目は、ファッション。英国であつらえたスーツやロレックスの時計など。3つ目はクルマ。"オイリーボーイ"としてベントレーなど数々の高級車を所有していた。4つ目はグルメ。鮨、うなぎなどの名店に通っていた。5つ目は田舎暮らし。開戦を見越して鶴川村で農業を営んだ----。どれを取っても雑誌の特集として成立する。白洲次郎にからめて商品紹介もできるし、グルメ案内もできる。つまり彼は、メディアとしては"ネタ"に事欠かない人なのである。

 昨今の白洲次郎ブームの前、98〜00年にかけて第1次白洲ブームともいえる盛り上がりがあった。きっかけは、97年に出版された『風の男 白洲次郎』 (文庫版は00年) である。翌年、雑誌「太陽」で特集が組まれ、「二〇世紀の快男児」とうたわれた。その頃、白洲正子が「新潮45」98年9月号で「いまなぜ『白洲次郎』なのか」という随筆を発表。そこで、「最近は政治家でも何でも、すぐに『命を賭けて』なんて安っぽいことをいったり、窮地に陥ると平気で涙をみせるじゃないですか。〈中略〉だからこそ、次郎さんのような人間がまた興味を持たれてるのかもしれませんね」と書いた。この文章は『白洲次郎 日本で一番カッコイイ男』に収録されている。

 本格的に白洲次郎がオヤジの星と認知されるようになったのは、雑誌「サライ」04年9号で取り上げられたことがきっかけだ。サライでは、06年にも特集を組んでいる。先にも述べたように、シブ好みのネタが豊富な次郎は、「サライ系」にジャストミート! 「センスがいい。古びない」「男から見てもかっこいい」と、おじさん方をトリコにした。しかし、ここまではまだ、中高年男性中心のブームだった。

 ところが、06年、NHK『その時歴史が動いた』で特集されると、徐々にお茶の間の女性も関心を寄せるように。08年には宝塚で『黎明の風』が上演され、白洲次郎とマッカーサーという二大カッコいい男(この作品上では)のほのかな友情に、ファンは萌え〜。そして、09年に入り、NHKでドラマ化され、伊勢谷友介のおかげもあってか一気に女性ファンを増やした。第2次白洲次郎ブームは女性が中心となっており、この先まだまだ続きそうである。

◉書籍【1】

『白洲次郎 占領を背負った男』上・下(北 康利 /講談社文庫/各520円)

山本七平賞受賞作。下の『風の男』よりも物語調。マッカーサーを叱ったというエピソードも、「白洲は血相を変え、『いやしくもかつて日本の統治者であった者からの贈り物を、その辺に置けとは何事ですかっ!』と叱り飛ばし」たと、ちょっと誇張されている。


◉書籍【2】

『風の男 白洲次郎』(青柳恵介/新潮文庫/420円)

もともとは私家版として90年に完成。マッカーサーを叱ったエピソードは、次郎の友人・河上徹太郎のエッセーを引用し、「白洲は憤然として、これは苟しくも私の天皇の贈物だ、そんな所へは置くことは出来ないから持つて帰る、といつた」と書かれている。


◉書籍【3】

『プリンシプルのない日本』(白洲次郎/新潮文庫/500円)

さまざまな雑誌に掲載された散文をまとめた、白洲次郎唯一の著作集。「八方美人が多過ぎる」「イエス・マンを反省せよ」などなど、1つを取り出して読む分にはズバッとした語り口が痛快だが、通して読むと「小うるさいジジイ」という印象が......。


◉書籍【4】

『白洲次郎』(白洲正子、朝吹登水子、辻井 喬ほか/平凡社/1600円)

「太陽」98年7月号の特集を加筆、再構成したもの。生前の写真や愛用品などの写真も豊富で、宮澤喜一や三宅一生など、親交の深かった人々のコメントが多数収録されている。次郎のダンディな雰囲気だけ手っ取り早く味わいたい人におすすめ。


◉書籍【5】

『白洲次郎 日本で一番カッコイイ男』(河出書房新社/1200円)

関係者のエッセイや次郎のインタビュー、および対談など、半分以上は過去に発表されたものの再録。次郎をある程度知った人の資料としてはいいが、ビギナーには向かない。『プリンシプルのない日本』の編集者による出版秘話も掲載されている。


◉テレビドラマ

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『NHKドラマスペシャル 白洲次郎』
(NHK/第3回は8月放送予定)

「白洲次郎という大いなるフィクション」「取材の中から魅力的な『虚像』を創造」とチーフプロデューサーが断言。映画『ハゲタカ』(6月公開)を手がける大友啓史が演出し、伊勢谷友介も好演しているが......それでいいの!?


◉舞台

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『黎明の風/Passion 愛の旅』
(宝塚クリエイティブアーツ/1万500円)

「男役の中の男役」と呼ばれる轟悠が次郎を演じる。「自分を貫いている轟さんはイメージにぴったり。手の先、足の先まで男役! 世界一美しい!」(宝塚ファン)。史実と違う部分があっても、「それはそれ」だそう。


◉グッズ

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「PLAY FAST」Tシャツ
(3150円)

晩年、軽井沢ゴルフ倶楽部の運営に情熱を傾けた次郎。せっかちな性格のため「PLAY FAST」とプリントされたTシャツを作らせた。文字は次郎の手による。現在は旧白洲邸宅・武相荘にて販売中。


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