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第3特集
2016年一番の怪ヒット!? 『HiGH&LOW THE MOVIE』大研究【5】

幼なじみ、義兄弟、闇堕ち…『HiGH&LOW』を見た腐女子が読み返すべき傑作BL40選

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<『HiGH&LOW』総力特集>
興行収入だけでは測れない!映画『HiGH&LOW』ムーブメントに迫る
【映画ライター座談会/前編】『HiGH&LOW』は〈国産の海外映画〉である。
【映画ライター座談会/後編】HiGH&LOW』でHIROが望むのは「親殺し」? 今後の展開を予想する!。
『HiGH&LOW』は対ジャニーズ連合軍か!? イケメン文化の集大成としてのハイロー

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「HiGH & LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~」(秋田書店)

――ドラマシリーズの総集編として5月に2周間限定で劇場公開された『ROAD TO HiGH&LOW』。その舞台挨拶の際、九龍グループ家村会の幹部役を演じた橘ケンチ氏(EXILE THE SECOND所属)が物語について、「ブロマンス要素もある」と口走ったことで、当時一部界隈をザワつかせたのは記憶に新しい。

 橘氏が劇中で描かれる男と男の絆を「友情」という言葉で収めることできなかった心中は、既に本作をご覧になった方なら察することができるだろう。

『HiGH&LOW』は男のドラマである。幼なじみの死、闇堕ちと救済、兄を探し続ける義兄弟、ライバルとの共闘……男と男の絆や、男と男の因果がみっしりと詰まった作品であり、そこで描かれる人間関係は、「友情」という言葉で片付けてしまうには余りあるほどの熱気をはらんでいる。

 では、男と男の「友情」の先には何が存在するのか。答えは簡単。腐女子である。少々強引な展開だが、こういう企画だと理解してほしい。

 男の肢体が2体あらばそこに腐女子は必ず寄生する――。2体どころか、スクリーン一面の男、男、男。男(HIRO)による、男(EXILE)のための、男祭であるハイローを腐女子が素通りできるわけがない。

 ここまでは「『HiGH&LOW THE MOVIE』大研究」と銘打って、映画の内容や出演者について深く考察する企画を展開してきたが、これだけでは片手落ちの感が否めない。『HiGH&LOW』フィーバーの一端を担っているであろう、ある層をどうしても無視できないのである。ある層とは、そう腐女子である。くどいようだが、こういう企画だと理解してほしい。

 先に公開された記事(『『HiGH&LOW』は〈国産の海外映画〉である。』)でも、「どこかで見たような設定が多いのが今作の特徴」と指摘されていたが、実はそれは一般的な映画やマンガに限った話ではなく、商業BLのあらゆる設定やキャラクターすら彷彿とさせやがるんだ……というのが腐女子の言い分だ。

 そこで、本稿では『HiGH&LOW』で描かれる男たちの因果をまとめつつ、その男たちの物語を目撃した腐女子が、「この関係って…あの商業BLにどこか似ているのでは…!」と脳裏をよぎった至極のBL作品を紹介していこう。(※「『HiGH&LOW THE MOVIE』大研究」のおまけ企画なので肩の力を抜いてご一読あれ)

(文/才蔵腐女子連合会)

■全ての物語はこの3人の因果から始まった
琥珀+九十九+龍也(MUGEN)
『HiGH&LOW』の壮大なストーリーが始まるきっかけとなった3人。幼なじみの琥珀と龍也が作ったバイクチームがMUGENであり、幼少期にいじめられていたところを龍也に救ってもらったときから、琥珀にとって龍也はかけがえのない存在であった。一方、九十九は天涯孤独に過ごしていたが、あることをきっかけに琥珀に拾われる。親友の龍也を敵の策略によって失った琥珀は、我を失い暴走しはじめるが、そんな彼に最後まで寄り添い続けようとしたのは九十九だった。

タグ:幼なじみ、おっさん、死別、バッドエンド、闇堕ち、共依存、ゴリラ百合

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★腐女子eye<死別三角関係>
死んでしまった男に囚われる男と、その男に付き従う男、という「死別三角関係」といえば、よしながふみの名作「僕の見た風景」(『こどもの体温』収録)。高校の山岳部に所属していた3人組・酒井、綾小路、黒田は、大人になって久しぶりに山に出かけた帰り道、綾小路が運転する車で交通事故を起こし、酒井は死亡、黒田は半身不随になってしまう。責任を取るべく、綾小路は献身的に黒田に尽くし、自分の人生を明け渡すがごとく彼に付き従う。生き残った者同士の、痛みを伴う少しの幸福な結末が胸に刺さる。

【キーワード関連作】
吉池マスコ『藤原征爾君追悼特集に寄せて』


■優等生×ヤンキー×ヤンキーの絆
コブラ+ヤマト+ノボル(山王連合会)
コブラ、ヤマト、ノボルも幼なじみだが、不良だったコブラとヤマトにとって、優等生で弁護士を目指して大学に通うノボルは希望の星だった。しかしノボルはガールフレンドをレイプされ、報復に手を染めてしまう。ノボルの帰ってくる場所を作るため、コブラとヤマトは山王連合会を結成するが、刑務所から出たノボルは九龍グループ・家村会の構成員として2人の前に現れるのだった。

タグ:幼なじみ、三角関係、ヤンキーとエリート、体格差萌え

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★腐女子eye<二等辺三角関係>
二等辺三角形のような関係性で描かれるBLといえば、「先生×生徒×生徒」の三角を描いた中村明日美子の『同級生』だ。男子高校の音楽教員である原に思いを寄せる生徒・佐条と、その健気さに惹かれてゆく同級生の草壁。やがて佐条と草壁が両思いとなるが、実は密かに原は佐条に惹かれていた……という、なんともほろ苦い展開は三角関係ならではだ。

【キーワード関連作】
恋煩シビト『溺れる』
門地かおり『恋姫』



■主人公と二番手の戦友コンビ
コブラ+ヤマト(山王連合会)
家村会に利用されたノボルを救い出すときも、さらにSWORD討伐に乗り出す琥珀を止めようとするときも、いつも2人並んで戦い続けた戦友にして親友のコブラとヤマト。コブラのピンチにはヤマトが駆けつけ、ヤマトがピンチのときにはコブラが駆けつける。ケンカでボロボロになった身体を支え合うシーンもシリーズを通して散見された。小さいコブラと大きいヤマトの身長差も名コンビの雰囲気を醸している。

タグ:幼なじみ、ヤンキー、バディもの、相方、体格差萌え

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★腐女子eye<金髪のかわいいヤンキー>
ガタイのいい黒髪×小柄な金髪ヤンキーというルックスから夏目イサク『デビルズハニー』を推薦。先生×生徒という王道の設定で、生徒に人気の体育教師・菅谷とヤンキー集団のリーダー格・吉野のほんわかキラキララブが描かれる。金髪ヤンキー吉野が恋愛においては健気で可愛い一方で、ケンカが強く男気あふれる性格なのがキュンとする。

【キーワード関連作】
小松『それから、君を考える』
水渡 ひとみ『恋する鷹はツメを隠す』
山本小鉄子『明日はどっちだ!』



■孤立する少年を救う正義漢
ヤマト+チハル(山王連合会)
鬼邪高校で揉め事を起こし、不良学生たちから追いかけ回されていたチハルを助けたのがヤマトだった。以来、チハルの恩人であり一番の憧れの人がヤマトとなった。チハルは髪型までヤマトのマネをしており、そのリスペクト精神は健気ですらある。チーム内でチハルに裏切りの容疑がかけられた際も、ヤマトはチハルを信じてかばった。

タグ:先輩後輩、師弟、下克上、一方通行

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★腐女子eye<師弟関係や憧れはやがて……>
強い憧れが恋に変わるという王道なストーリーながら、ボクシングというスポーツを題材により汗臭く描かれているのがウノハナの『犬と欠け月』だ。目の怪我で引退を余儀なくされトレーナーに転身した一条と、そんな彼に憧れてボクサーとなった岳の師弟関係がどう恋愛に変わっていくのか。「俺…一条さんのために絶対勝つんで」なんて健気なセリフを言う岳は、さながら忠犬ハチ公のようで放っておけない。

【キーワード関連作】
羽生山 へび子『僕の先輩』



■Instagramで育む友情
チハル+テッツ(山王連合会)
ドレッドヘアが特徴的なテッツと、チームの新入りチハルは、いつの間にか親友のような仲に。他勢力とのケンカの際も共闘することが多い。公式 Instagramを持っている2人でもあり、服の貸し借りや、テッツの彼女の誕生日プレゼントを 2人で買いに行くなど、ドラマや映画では描かれない微笑ましいやりとりを垣間見ることができる。

タグ:同級生、親友、ノンケ

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★腐女子eye<親友同士だけど……>
親友同士BLの決定版といえば井戸ぎほう『B.S.S.M.』。友達同士でドラッグやって、ラリったついでにヤっちまう。まさに若気の至りでひた走るけいまとなおの関係だったが、そんなことをしているうちにソノ気になってしまうのが人の性。無邪気な親友同士のじゃれ合いが、恋人同士のそれに変わる瞬間の甘酸っぱさとこっ恥ずかしさで胸がいっぱいに。



■義兄弟という禁断の響き
雨宮雅貴+雨宮広斗(雨宮兄弟)
もともとは3兄弟だが、1年前に失踪した長男を探してSWORD地区に降り立った2人。女好きで軟派かつ弟に甘い兄・雅貴と、自分勝手でクールな弟・広斗。「お兄ちゃんの言うことを聞きなさい!」とぼやきながらも、弟の身勝手な行動に振り回される兄だが、ケンカはピカイチ強い。そんな兄弟が主演を務める次回作『THE RED RAIN』では、弟・広斗が実は連れ子で、血の繋がりは無いという事実が明かされるとか。

タグ:義兄弟、近親相姦、クリスチャン、尻に敷かれ系、ツンデレ

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★腐女子eye<兄弟!近親相姦!>
兄弟・義兄弟BLは数あれど、中村明日美子の『薫りの継承』ほど濃厚な物語はなかなかない。義理の兄である忍に冷たくされるほどに欲情する竹蔵は、ついに忍に目隠しをして事に及ぶ。忍の妻を巻き込みながらも物語は進むが、最終的には義兄弟として育った2人にまつわる衝撃の事実が明らかになる。禁断の性愛ここに極まれり。

【キーワード関連作】
ためこう『泥中の蓮』
朝田 ねむい『兄の忠告』



■ヤンチャDKわちゃわちゃ萌えの極み
鬼邪高校の面々
「オヤコウコウ」というバカバカしいネーミング、さらに「全国から札付きのワルが集まっているため極道組織からのスカウトが絶えず、より良い組織からのスカウトを得るために生徒達は留年を繰り返す。5回留年すれば一流!」というトンデモ設定だが、そんなワルたちが「村山さん!村山さん!」とボスを慕う姿にほっこり。村山にくっついて歩く大男の古屋と関、この2人のコントラストも絶妙。

タグ:学ラン、DK、番長、ケンカ、舎弟、姫と家来、チーム男子

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★腐女子eye<ヤンキー高校生の日常系>
男子高校生のドタバタものなら、SHOOWA『イベリコ豚』シリーズ一択(主観)。登場人物たちはだいたい見た目がチャラかったりいかつかったりするものの、厳密にはヤンキーではなく「ゴミ拾い集団」という、ずっこけるような設定も◎。バカでアホな高校生がたくさん登場し、メインカップルの恋のみならず周囲の友人や後輩たちのくだらないやりとりがテンポよく描きこまれ、わちゃわちゃ感を醸し出す。



■バカ番長とインテリ眼鏡
村山+轟(鬼邪高校)
山王連合会・コブラとの死闘に負け、腑抜けた状態になっていた鬼邪高校の番長・村山。そんな彼の前に現れたのは、裕福がゆえに不良に恐喝されたことをきっかけに不良への憎しみを募らせ、己の拳を磨き続けた轟だった。轟との戦いによって、本当に守りたいものは何なのかということに気づく村山。その後、SWORD vs琥珀の大決戦に単身乗り込もうとした村山を追いかけてきた轟、2人の間で交わされるデコピンシーンは名場面である。

タグ:学ラン、クール眼鏡、不良×優等生、先輩後輩、夜間と全日

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★腐女子eye<クール眼鏡高校生の青さ>
学ランクール眼鏡がメインキャラといえば、黒娜さかき『青春ソバット』。BLでありながら、青年誌「IKKI」で連載していた変わり種。全4巻をたっぷり使って、思春期特有の不安定な感情や、友情と恋愛と欲情の境目が曖昧な“青春”感を描き出す。最終巻では大人になった主人公たちが描かれ、その一筋縄ではいかない結末は、10代の青い頃に出会った人間同士ならではの関係の濃密さを感じさせる。

【キーワード関連作】
たうみまゆ『傘を持て』



■ケンカで負けて親友に?
村山+コブラ(鬼邪高校/山王連合会)
鬼邪高校で100人からの鉄拳制裁に耐え、トップに上りつめた村山だったが、コブラとのタイマン勝負に負けてしまう。村山はコブラとのケンカが忘れられず、「俺とお前の何が違うんだ!」と苦悩しながらも、自分は一体何のために戦うのかと、己と向き合っていく。以降は、「コブラちゃんならどうする?(お悩み相談)」「コブラちゃんまた(ケンカ)やろうぜ」「コブラちゃん山王入れて」と、何かっちゃコブラちゃんコブラちゃん言うようになる村山であった。

タグ:ライバル、不良学生、片思い、一方通行

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腐女子eye<一方通行の片思い>
かまってちゃんの熱烈な片思いといえばコウキ。の『喰われたがりの仔羊くん』。幼なじみの士狼を追って同じ高校に入学したものの、実らない片思いを抱え続ける羊。「一回でいいからおれのこと抱いて」と迫っても、士狼は「お前は性欲と恋愛を勘違いしてんだよ」と釣れない態度。一途すぎる羊に思わず「がんばれ!(泣)」と感情移入してしまう1作。

【キーワード関連作】
どつみつこ『Cutting Age』



■王様と冷徹な執事
ロッキー+KOO(White Rascals)
繁華街のケツ持ちであるWhite Rascalsは、頭であるロッキーの「女たちを守りたい」という信念のもと、経営しているクラブで女性たちを安全に働かせている。そんなロッキーの信念を傍らで支えるのがKOOだ。冷静で物腰の柔らかいしゃべり方とは裏腹に、敵に対しては冷酷なKOOが、なぜロッキーの側に仕えるのかは謎だが、母親と姉に自殺され天涯孤独となったロッキーの心の拠り所になっていることは想像に難くない。

タグ:執事、おっさん、絶対忠誠

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★腐女子eye<クールな執事の熱い忠誠心>
執事モノBLといえば真っ先にあがるのが、日高ショーコ『憂鬱な朝』だろう。10歳にして子爵家当主の座を継いだ久世と、その教育係を務めるスチュワードの桂木が織りなす貴族の恋物語。冷静沈着、頭もキレておまけに眉目秀麗である桂木は理想的な執事像の典型例。こんな人に四六時中世話になっていたら、そら男でも恋に落ちますわ!と思わず単行本を投げたくなること受け合い。

【キーワード関連作】
緒川千世『王子の箱庭』





■男×心は女の男
カイト+キジ―(White Rascals)
元々は黒いスカウト集団DOUBTに所属していたカイトとキジー。しかし、ロッキーと対峙した際、心が女であることを見ぬかれたキジーは、パートナーであるカイトと連れ立ってWhite Rascalsに転身しロッキーのサポート役に。長身でハンサムなカイトの周りに女子が群れようものなら、「アンタ、ブスねー!」「キジーのダーだから!」とすぐさま蹴散らすキジー。恋愛要素の少ないハイローの物語に華を添える公式のカップルである。

タグ:トランスジェンダー、両思い、オネエ言葉

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★腐女子eye<揺れ動く性を受け止める愛>
男性が女性に憧れる姿を瑞々しくも、時に残酷かつ鮮烈に描いたのが中村明日美子の『Jの総て』だ。マリリン・モンローに憧れる少年Jと、彼に出会い翻弄されながらも運命を共にしようとするポール。過去のトラウマのせいで自分の幸せに臆病になっているJの激動の半生には、はたしてどんな結末が待っているのか……。

【キーワード関連作】
永井三郎『スメルズライクグリーンスピリット』
秀良子『宇田川町で待っててよ。』



■屈強な者同士だからこそ認め合える
ロッキー+ヤマト(White Rascals/山王連合会)
ドラマシリーズでレッドラム(ドラッグ)をめぐる揉め事の際に衝突した2人。女にはとことん優しいが男には容赦しないロッキーによって、杖で殴られるヤマト。しかし映画では、その杖によってヤマトを助けるロッキーの姿が。ヤマト「女以外は助けないんじゃねーのかよ」ロッキー「うるせぇ、バカ(ニヤリ)」という印象的な和解シーンも。

タグ:DV、杖、8 等身、ギャング、歳の差、ライバル

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★腐女子eye<敵対からの……>
屈強な肉体美と華麗なダンス描写で人気シリーズとして今も続いている井上佐藤の『10DANCE』は、男同士のプライドや反発心を描くことで、より濃厚な愛に着地しようとしている。ソシアルダンスのラテン日本チャンピオンの鈴木信也と、スタンダード日本チャンピオンの鈴木信也。最初は憎まれ口を叩き合いバチバチの2人だが、ダンスという肉体言語を通じて絆を深めていく。

【キーワード関連作】
常倉三矢『咬みつきたい』
柊 のぞむ『どっちもどっち』



■愛の意味さえ知らない、生まれた場所も誇れない
RUDE BOYS(無名街)(RUDE BOYS)
親に捨てられた者や身寄りの無い者などが集まり、身を寄せあって暮らす治外法権のスラム「無名街」。そこで守護神として君臨する集団がRUDE BOYSだ。リーダーであるスモーキーは、街の人々を「家族」と呼び、文字通り血を吐きながらも懸命に守ろうとし、ピーやタケシといった仲間たちは、吐血を繰り返すスモーキーの身を常に案じている。ドラマシリーズ最終話では、無名街の地下から鉱物が採取できることが明らかになった。

タグ:貧困、スラム、無国籍街

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★腐女子eye<荒廃した世界で傷だらけの男たち>
槇えびし『みずのいろ。』の舞台となるのが、まさに無名街的な荒廃した世界観で描かれる「天国」と呼ばれる街だ。そこで殺し屋として生きる世都と、彼がたったひとり守りたい少年・礼夏。さらに世都を拾ったロマネと、そしてもう一人の礼夏。男たちの因果を描いた一代絵巻。体中に傷があり、「赤色」が認識できないというミステリアスな世都の儚さと乱雑な街が絶妙なコントラストを描いており、BL抜きにしても美しいマンガである。



■男は誰がために罪を犯す
スモーキー+シオン(RUDE BOYS)
スモーキーの右腕として活躍していたシオンだが、陰で家村会の人間に協力しレッドラム製造工場を仕切っていたことが表沙汰になる。しかしそれは、胸の病気を患っているスモーキーの治療費を稼ぐために犯した罪であった。スモーキーは自分のために罪を犯したシオンに「すまなかった」と言い、「ここにいたら家村会に追われるだろうから」と街から追い出すのだった。

タグ:忠誠、片思い、貧困、ドラッグ、自己犠牲、一方通行

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★腐女子eye<自己犠牲という愛>
吉田ゆうこの『BLT』の登場人物・浩輔の自己犠牲精神は痛々しくもいじらしい。アイドルグループ「BLT」のメンバーであるみさきはまだ恋も知らない。そんなみさきやメンバーを守りたいがために、枕営業に勤しむ浩輔だったが、努力の甲斐も虚しくみさきにまで枕営業の魔の手が迫る……。チームのため、愛する人のために身体を差し出すという究極の自己犠牲BLだ。



■絶体絶命に颯爽と現れるタキシード仮面的なアレ
スモーキー+雨宮広斗(RUDE BOYS/雨宮兄弟)
スモーキーが敵の罠に嵌まり絶体絶命のピンチに陥っているところに颯爽と現れ、手を貸したのが雨宮広斗であった。共闘しながらも、広斗のサポートむなしく背中を切りつけられたスモーキー。瀕死のスモーキーに闇医者を手配し、(多分)保険がきかないであろう治療費まで工面してやる広斗のスパダリっぷりが冴え渡る。DOUBTにさらわれたスモーキーの妹も広斗が助けた。

タグ:アラブ系、白馬に乗った王子系、スパダリ、格差

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★腐女子eye<アラブ系BL>
恵まれない環境で育った影のある子に、“王子”が強引に手を差し伸べるのはBLのひとつの王道だが、ここではあえて複雑な世界設定の寿たらこ『SEX PISTOLS』(5巻)をチョイス。生い立ちゆえに、まっとうな恋愛とは無縁だと思い、かつては体まで売っていた少年。あるとき、異国からやってきた男と出会い、その強引なのに優しい手に惹かれてゆく。互いの身分の違いや相手を思いやる気持ちから、素直に結ばれることができないのに、そのすべてを吹き飛ばす「運命」の強さが、シークものという非現実的な設定をより輝かせる。



■「久しぶりだな」って、いつ会ってたの
スモーキー+ヤマト(RUDE BOYS/山王連合会)
ドラマシリーズにて、チハルを探して無名街に潜入しようとしたヤマトだが、 RUDE BOYSに見つかりスモーキーと対峙する。スモーキー「…ヤマト」ヤマト「スモーキー、久しぶりだな」と挨拶を交わした後、即殴り合いに。だが、スモーキーはヤマトに関節技を決めながら発作を起こす。目の前で血を吐くスモーキーを、ヤマトは地面に倒れたまま虚を突かれた顔で見上げるのだった。

タグ:筋肉、ミステリアス、体格差、自己犠牲と世話焼き

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★腐女子eye<ミステリアス少年と筋肉少年>
湖水きよ『カラダめあてで悪いか』は、無口でミステリアスな少年・蓮見と、彼に妙に懐かれて放っておけない、強く美しい肉体を持つ同級生・角野という真逆の2人が、徐々に互いを知ってゆく過程が美しく描かれる。「角野の体を見てみたい」という蓮見の謎の申し出から体の関係を持つようになったものの、もともとタイプが違いすぎるゆえに友人でもなかった彼らは、当然恋人と呼べるような甘い関係にすぐにはなれない。微妙に噛み合わない会話と、一見淡々として見える仲から踏み込んでいく瞬間が、色気のある絵柄で描かれる。



■狂気のボスと法被軍団
達磨一家
MUGENによって滅ぼされた九龍グループ・傘下組織「日向会」の日向四兄弟の四男である日向紀久や、MUGENに恨みをもつ饕餮兄弟など、とにかくMUGENに恨みをもつ人間で結成されたのが達磨一家だ。とはいえ、ドラマシーズン1最終話でコブラと対決した後から日向になんらかの心境の変化があった模様。ケンカのあとは奥の間に日向を寝かせ、饕餮兄弟は廊下で寝るなど、舎弟たちから日向へ向けられる温かい思いやりにグっとくる。

タグ:姫と家来、ポリアモリー

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★腐女子eye<"若"とその周辺>
ナリ『ヤングコーンの王子様』は、BLにしては珍しく少年マンガ的な描かれ方のバトルシーンがあったり、がっつり血も流れるが、主人公のひとり・ヤクザの若頭を慕う組員たちがそれぞれにキャラが立っており、ギャグ担当である彼らのノリで中和されて楽しく読める。

【キーワード関連作】
流星 ハニー『五人のセフレとカグヤ王子』



■噛み付いて離れない執念
日向+コブラ(達磨一家/山王連合会)
コブラが以前所属していたMUGEN時代の因縁から、山王連合会を潰そうと目論む日向。なりふり構わぬファイトスタイルでコブラの腕に思い切り噛み付いたり、とにかく執念深く攻撃を加えた。映画では、敵に攻撃されそうになった日向をコブラがかばう一幕も。日向「俺の獲物に手ぇ出すんじゃねーよ」コブラ「手こずってんじゃねーか」と憎まれ口を叩き合いながらも、共闘した。

タグ:ライバル、狂犬、和モチーフ、寺、執着、ケンカ

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★腐女子eye<ケンカップルという正義>
タイトルからしていかにもなケンカップルの様相を呈している、宮本リンダの『ケンカ上等!キス上等』。期待通り、しょっぱなから殴りあって鼻血を流しているのだから、たまらない。校内のケンカ王・蜂谷は、何かと因縁をつけてはケンカをふっかけてくる凶暴な涼原に手を焼いていた。しかし、ひょんなきっかけで涼原の意外な一面を目撃してしまい、以降蜂谷は彼を殴れなくなってしまう……。

【キーワード関連作】
紫妲たかゆき『犬猿の恋仲』



■ハイロー世界の最大ヒール
九龍グループ
「九つの龍」と呼ばれる9つの組織からなる反社会的勢力。テレビシリーズと映画では、その中の一つ「家村会」がSWORDを狙って暗躍した。物腰の柔らかさがかえって怖い組長・家村龍美を筆頭に、二階堂、石井、川田、キリンジなど渋い面々が集結。石井と川田の対立や、キリンジの野心など、組内での緊張感漂うマウントの取り合いも反社会的勢力ならではか。

タグ:ヤクザ、極道、おじさん、老け専、スーツ、暴力、ヒール、悪党

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★腐女子eye<ヤクザモノBL>
後述でも紹介する『コオリオニ』と並んで、近年のヤクザBLの大傑作として名高いヨネダコウ『囀る鳥は羽ばたかない』。ドMで淫乱、倫理観のぶち壊れたヤクザの若頭・矢代と、彼の付き人を務める元警官でインポの百目鬼。彼らのスリリングな関係ももちろんのことながら、ヤクザの世界に渦巻く男同士の野望と嫉妬のねちっこさがたまらない。



■刑務所での出会いが闇へ誘う
二階堂+ノボル(家村会)
恋人をレイプした犯人への暴行で逮捕されたノボルが、刑務所で出会ったのが二階堂だった。家村会の幹部である二階堂は、 SWORDを治めたいがためにノボルに接触。将来への希望も失いコブラたちの元へも帰れなかったノボルは自暴自棄になり、二階堂の誘いにのってしまう。自分を救い上げてくれた家村会や二階堂に報いるためにも、ノボルはSWORD支配の策を講ずるが結局は上手くいかず、二階堂から散々暴行を受けた挙句に見捨てられた。

タグ:ヤンデレ、ヤクザ、スーツ、刑務所、歳の差

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★腐女子eye<人生を狂わす憎き因縁>
ヤクザの息子であり長じて組長となった男に、高校時代から利用され続ける愛人兼闇医者というバッドすぎる設定の恋煩シビト『バラ色の時代』。組長の大和は組の問題を解決するために相手方のヤクザに右介を抱かせたり、自分と同じ入れ墨を背負わせたりする。利用される側の右介は「おまえがオレに近寄ってくるときは、いつもオレを利用したいときだ」「君は本当にオレが汚れていくのが楽しいみたいだ」と狂気じみた執着に振り回され続けるが、大和の真意は……。



■音楽とファッションの力で世界を変えたいとかいうチャラさ
パール+バーニー(MIGHTY WARRIORS)
湾岸地区で活動する新鋭勢力にして、映画でSWORDの面々に敵対するチームがMIGHTY WARRIORSである。音楽とファッションの力で自分たちの理想郷を作ろうとするICEに手を貸すラッパーのパールと、ハッカーのバーニーはチームのムードメーカー。レースで競い合ったり、アメリカンジョークを言い合ったり、とにかくチャラくてオシャレな名コンビ。

タグ:チャラい系、ファッション、音楽、相棒、親友

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★腐女子eye<最高の親友で……我慢できる?>
チャラくてテンション高めなBLといえば、おげれつたなかの『エスケープジャーニー』。高校時代に「性欲処理」呼ばわりされて別れた元カレ太一と、大学で再会を果たした直人。最初こそ過去を引きずっていた直人だが、友達としては最高の相性だったことを思い出し、直人と友人関係に戻ろうとする。しかし、互いに恋愛の熾火も燻っており……。「友情」と「恋」の間で揺れ動く青春グラフィティ。



■いっそ潔いほどの女性蔑視にゾクゾク
高野+平井(DOUBT)
女を強引にスカウトしどこかへ売り飛ばす極悪スカウト集団・DOUBTを率いる 2人組。正体不明。主に人身売買を生業としているが、その他のあくどい仕事にも手を出しているとか。映画では「メスブタちゃんたちしっかり働けよ~」という暴言を吐きながら、さらってきた数多くの女たちをどこかへ売り飛ばそうとしていた。女性の扱いがぞんざい過ぎて、逆にそれって……?

タグ:悪党、ヒール、外道、水商売、スカウト、男だけの世界

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★腐女子eye<薄暗い商売に身を投じる男たち>
男娼というのっぴきならない夜の商売を描いているのが、朝田ねむい『Loved Circus』だ。サラリーマンのケイは惚れた風俗嬢を借金から救おうと全てを投げ打って投資に挑むが、大失敗し金も女も失ってしまう。人生に絶望したケイは自殺を図るがそれにも失敗し、目を覚ますと、そこはゲイ向け風俗店「サーカス」の店内だった。わけありな男娼たちが織りなす笑えて、泣ける1作。

【キーワード関連作】
おげれつたなか『ネオンサイン・アンバー』(「ディアプラス」(新書館)で連載)
ナツメカズキ『MODS』



■ヤクザとつるむ悪徳刑事
西郷
ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事の西郷は、やたらと山王連合会を挑発する。映画では、なぜかコブラの耳たぶをペロンと触って、ニヤニヤ。今後も SWORDをかき回す予感がむんむんである。

タグ:おっさん、悪徳刑事、暴力、権力、金

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★腐女子eye<セクシー悪徳刑事>
悪徳刑事といえば、実際に起こった北海道警察の違法捜査をモデルに描かれた梶本レイカ『コオリオニ』の主人公・鬼戸を思い浮かべるだろう。ヤクザの幹部・八敷をエス(スパイ)として利用しようとする鬼戸だったが、徐々に八敷の心の闇に同調し、いつしか2人は運命を共にするようになる……。倫理観が破綻していて、とことん下衆だが、妙な色気を放つ鬼戸のアンチ・ヒーローぶりに痺れる。


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ファッション(禁)コレクション2017

本誌特選!8人の(サ)な女たち

本誌特選!8人の(サ)な女たち
    • 歴代カバーガールグラビア傑作選

山地まり、大人Kawaiiレトロモダン水着

山地まり、大人Kawaiiレトロモダン水着
    • 【山地まり】Fカップとレトロ

インタビュー

連載

    • 【今野杏南】これで最後なんです。
    • 【佐藤江梨子】政治性が響くモンパチの歌
    • 【長澤茉里奈】合法ロリ生春巻き
    • 【斉藤由貴】スローな由貴でいてくれ
    • 【インターネット】への誤解がもたらす日本の危機
    • 【特別編】九州に格闘技界旋風起こす男
    • 【元・モー娘。】歌よりも正直なトーク
    • 【三波春夫】が2017年に蘇る
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【フレンチ・モンタナ】モロッコ系最強ラッパー
    • 【電通過労死事件】から考える労災
    • 【治療共同体】で精神病院を開放せよ!?
    • 町山智浩の「映画でわかる アメリカがわかる」/『バリー・シール』
    • 世界一災害に弱い【東京】備えなき首都大災害
    • 小原真史の「写真時評」
    • 赤い屍と緑のタヌキ
    • ジャングルポケット/フェラペチーノで自分好みのプレイを!
    • 【最高の離婚】夫婦の溝を埋める最良のテキストドラマ
    • ボディペインティングが導く愉楽
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、政治と信仰と破綻の円環構造。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』