>   >   > 【中核モバイル事業】はアップルの胸先三寸か

──ソフトバンクグループといえば、ヤフーもあるしヤフー!BBもあるしホークスもあるけど、やっぱり今一番の注目企業はソフトバンクモバイル。ここでは、グループの中核企業たる同社が今のペースでの成長を続けられるのか、今後のカギを握るのはiPhoneなのかプラチナバンドなのか、問うてみたい。

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『WILLCOM 03入門ガイド』(翔泳社)

 ソフトバンクグループが、ボーダフォンを買収してケータイ事業に参入したのは2006年のこと【詳細は「ソフトバンクと孫正義の正体」参照】。その後数年の混乱期を経て、いまやソフトバンクモバイルはケータイ業界3位のポジションを確立し、ソフトバンクグループの中核企業として存在感を放つに至っている。

 買収当初はケータイ事業の素人集団だったソフトバンクモバイルが、わずか5年弱で国内シェアを三分する巨大キャリアにまで急成長できた理由は一体なんなのか? その背景には、ソフトバンクという企業グループに一貫する独自の経営戦略が透けて見える。

「ソフトバンクモバイルの企業としての特性を一言でいうなら、“モノを売るのがうまい会社”ということに尽きます。ユーザー視点で見れば、通話定額の『ホワイトプラン』をはじめとする革新的なサービスを数多く打ち出し、ドコモ・auというニ大キャリアの牙城を揺さぶった功績は非常に大きいといえます。ただ、ソフトバンクモバイルには独自の技術やコンテンツは、ハッキリ言って何もない」

 こう語るのは、ケータイビジネスに詳しいジャーナリストの石川温氏だ。そう言われると確かに、過去にソフトバンクモバイルが独自に打ち出したインパクトといえば、その大半は広告のうまさと料金面にまつわるものだ。iモードを生んだドコモのような功績はない。さらに石川氏は続ける。

「例えば、ドコモは毎年膨大な資金を投入して独自の技術開発を続けていますが、ソフトバンクモバイルでは技術はすべて外から持ってくる。3Gのネットワーク技術は全部エリクソンに外注しているし、新しく打ち出した次世代高速通信サービスである“ソフトバンク4G”も、もともとはウィルコムが地道に開発していた次世代PHS技術です。つまり、伝統的な日本のモノづくりをするドコモに対して、グローバル市場に入り込んでモノを売るソフトバンクモバイルという構図ですね。これまではドコモ的な戦略が圧倒的に優位だったんですが、予想外に急激だったスマホの普及によって国内の技術がガラパゴス化し、結果的にソフトバンクモバイルのグローバル型戦略が成功を収めた形になっているというのが現状です」

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