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第1特集
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無料サービスは限界か? "モバゲー"、"GREE"を脅かす巨大勝手サイトの覇者はどこ?

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――iモード開始とともに今年で10周年を迎えたモバイルコンテンツ業界。08年に発表された公式サイトの市場規模は各キャリア総額で約1兆1464億円となっている。だが、その市場は現在、「モバゲー」「GREE」など、勝手サイトと呼ばれるサイトに脅かされているというが......。

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 ケータイコンテンツの発展を語るとき、欠かせないのが「勝手サイト」の存在だ。「勝手サイト」とは、無料ゲームをウリとした『モバゲータウン』や複数のケータイ小説のベストセラーを生み出した『魔法のiらんど』など、各キャリアの公式サイトには含まれていないサイトのこと。公式サイトと違って「通信費以外の利用料がかからず、無料で利用できる」点が人気となり、04年には総アクセス数で公式サイトを逆転、爆発的に利用者数を増やしていったのだ。

 ビジネスモデルを見ると、公式サイトは広告バナーを貼ることが制限されており、収入は基本的にユーザーから徴収する月額費などとなっている。一方、勝手サイトのサービスが無料なのは、バナー広告やアフィリエイトなどによって収益が得られるためだ。そんな勝手サイトの数は、今や公式サイト3~4万前後に対して約10倍とも20倍とも言われているが、数百万規模でユーザーを集める巨大サイトを見ると似たり寄ったりのものが乱立している。

「人気サイトで欠かせない要素は、ブログやコミュニティなどのコミュニケーション機能。SNSポータルサイトの『GREE』や『モバゲー』だけでなく、デコメールサイトの『デコとも』やゲームサイトの『アプリゲット』も、最近になってコミュニケーション機能を取り入れましたが、どの大手勝手サイトも画一化が進んでいることは否定できません」(ケータイ・ジャーナリストの石野純也氏)

 また元モバイルコンテンツ開発者でケータイライターの佐野正弘氏も、コミュニケーション要素について次のように危惧している。

「コミュニケーション要素は、確かに重要です。が、それが"中心"となっているサイトの多くは、拡大することなく低迷、閉鎖しています。『モバゲー』なら、まず魅力的なゲームがあって、そこから攻略情報の交換やスコア競争の形でコミュニケーションが生まれていき、成長していったという経緯があります。正直なところ『GREE』と『モバゲー』、それとPCサイト発の『mixi』の3つで、コミュニケーション機能をウリにしたサイトは飽和状態ではないか、というのが現状です」

 また最近は、18歳未満の利用者に対して、閲覧を禁止するフィルタリング機能が進められている。昨年からフィルタリングを解除してコミュニティサイトを公開するには監視システムや通報制度などについてEMAという審査団体のチェック認定が必要となっている。これも今後の勝ち組・負け組の選別に大きく影響しそうだ。

「コミュニティサイト利用者の多くは10代の中高生。売買春を斡旋するような有害サイトや、運営者側に逮捕者が出た『Mobile Space』のようなサイトは審査の面でマイナスとなり、18歳未満の利用者の多くはフィルタリングがかかって見ることができない。結果、ユーザー数が伸び悩む可能性が高いため、今後、コミュニティ要素を持つサイトが勝ち残っていくには、EMAの加入が必要条件となってくるでしょう」(前出・佐野氏)

 今後の勝ち負けに影響するのはそれだけではない。

「内容がコミュニケーション要素ありきではなく、ほかにない未開拓のジャンルに先手を打つこと。たとえばケータイの位置情報機能を利用した『ケータイ国盗り合戦』は内容面だけでなく、ターゲット層も出張の多いサラリーマンとなっているなど、新しいサイトモデルとして注目されていますね」(同)

生き残りのポイントは新しいコンセプトと課金制

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 当然、運営面についても、「生き残りを左右する要素」だという。

「もともとケータイサイトの広告単価は低く、クライアントの多くは有料の公式サイトやキャッシングや出会い系などでした。しかし、この広告だけでは大きな収益は期待できません。重要なのは経営状況が安定している大手のナショナル・クライアントを獲得すること。かつては『勝手サイト=出会い系が多くいかがわしい』というイメージがありましたが、『モバゲータウン』はよゐこや広末涼子などの有名タレントを起用したCMを流し、アンダーグラウンドな印象を払拭した。結果、全国的に認知度を高め、ナイキやコカ・コーラなどの大手広告主の呼び込みに成功。また一方で、同サイトはアバター販売にキャリアの課金制を利用しています。こうした一部キャリアと手を組んでビジネスを拡大していくモデルが増えつつあります」(同)

 ほかにも、『GREE』は06年にauと業務提携し、顧客基盤や物品販売のノウハウを得ている。また『モバゲー』もオークションなどの事業をKDDIと共同で運営し、モバゲータウンからのユーザー誘導に成功。つまり、広告だけに頼らない勝手サイトの運営方法が、この2つの巨大サイトによって提示されたのだ。

 また、ある業界関係者は、今後の企業戦略についてこう指摘する。

「折からの不況もあり、ここ1、2年は大手のナショナル・クライアントの参入が激減し、広告収入について限界説が囁かれている。実際に『モバゲー』の売上高のほとんどはアフィリエイトとアバター収入によるもので、今年5月に発表された四半期決算(同年1~3月)では純粋な広告費は縮小傾向。会員数は相変わらず増加していますが、それだけでは意味がない。逆に今後柱となりそうなのは、有料会員の課金。

 その点『GREE』はしたたかですよ。完全無料を謳いながらアイテムや写真や動画の利用に関して制限を設け、『モバゲー』にはない有料会員制度を設けて収入ベースを増やしている。今年4月に発表した四半期決算(同年1~3月)の売上高は、広告収入約10億に対して『GREEプラス』などの有料会員への課金は約29億円。広告だけでなく、キャリアと手を組んで、いかに『ユーザーから金を取るか』がポイントとなってくるでしょうね」

 無料で遊べることで多くの人気を集めたが、ここまで規模が大きくなった今、生き残りを左右するのは結局、「ユーザーの財布の中身」ということだ。


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