「Switch2当たりました?」が、もはや挨拶のように交わされるほど、Switch2の人気は
日に日に高まっており、人々はそれを渇望してやまない。こうした〝異常事態〟を生み出した
任天堂は、どのような決断を下してヒットメーカーとなったのか?
SNSで連日のように予約抽選の結果発表で盛り上がりを見せた「Nintendo Swit
ch2(以下、Switch2)」。
日本を代表する企業である任天堂は、いかにして圧倒的な人気と信頼を築き上げ、世界のゲーム市場を掌握するに至ったのか──。「決断力」という視点から、その歩みをひもとく。
8ビットの時代から任天堂を支えてきた「マリオシリーズ」のマリオ。(写真:杉山慶伍)
新たに発売されたSwitch2の目玉機能のひとつが、ユーザー同士で気軽にボイスチャットができる機能が本体に搭載されている点だ。別売りのカメラを使えば、電源を入れるだけでウェブ会議ツールのようにビデオ通話が無料ででき、いつでも友達とつながって一緒に遊ぶことができる。
「プレイヤー同士の姿を見ながら、YouTubeのゲーム実況者のように、複雑で高価な機器を用意しなくても友人同士で楽しめます。さらに、ストレージ容量が増加したことで、ゲーム内でのデータ読み込み時間は、初代Switchと比較して約2分の1~3分の1になると予想されており、体感でも大きな違いを感じるでしょう」
そう語るのは『美学 vs.実利 『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史』(講談社)などの著書があるIT系ライター・西田宗千佳氏。
今でこそ、Switch2で世間は盛り上がっているが、少し前まで、「任天堂はオワコン」とさえも言われていた。