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第1特集
心理的読点と生理的読点の妙

下心と読点だけじゃない\(^O^)/「おじさん構文」の隠れた魅力

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――「この企画は、いわゆる、おじさん世代には、読んでほしいカナ(^_^;)」――執拗なまでに打ち込まれる読点と顔文字。こうした文体は通称「おじさん構文」と呼ばれる。このようになってしまう過程を真面目に考察しつつ、「おばさん構文」との違いも検証したい。

数年前からZ世代の間で話題になっているという「おじさん構文」と、そこからさらに派生した「おばさん構文」。SNS上、特にLINEにて中年世代が使っている(若者から見れば)独特な言い回しや表現方法の総称であり、率直に言ってしまえば若者にとっては“揶揄”の対象として使われている言葉でもある。その特徴として挙げられているのが以下の通り。

● 絵文字、顔文字の多用
● 感嘆符、疑問符、カタカナ、読点の多用
● やたら文章(一文)が長い
● 一方的に近況報告をしてくる
● 誤字が多い

 加えて、特に「おじさん構文」の典型として言われている特徴がこちら。

● (女性に対する)下心が見え隠れする内容

実際にどういった人たちがおじさん・おばさん構文を用いているのか、若者の声を聞いてみた。まずは都内ガールズバー勤務のちかさん(22)から。

「常連のおじさん客で、だいたい40歳以上の印象。おばさんでLINEしてくる人はママ(43)くらいだけど、『今日の夕ご飯はカレーデス(^_-)』とか語尾をカタカナにして顔文字を使う」

都内スナック勤務のあゆさん(28)は、さらに突っ込んだ分析。

「男女問わずコミュニケーションが得意な人だと思うけど、クローズドなサイトで匿名でチャットとかやってた人とかは、なんか独特のキモさがある。『だったりシテ……(^^;)』とか被害妄想的な。たぶん作文とか文通、年賀状世代だから、絵文字や顔文字が新鮮すぎて、実際は今はもう新鮮に感じてないけどクセで使っちゃうんだと思う」

彼女たちの言葉を聞いて、ドキッとしてしまった読者も少なくないだろう。若者に対してではないが、同世代間でのLINEのやり取りに顔文字を多用したり、語尾をカタカナにしたりというのはアラフィフの筆者も実は心当たりがあったりスル。

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ぐれさん氏が開発した“おじさん文章楽々生成機”である「ojichat」を気軽に使えるようになったアプリが〈おじさん文章ジェネレーター〉。試してみて「どこがおじさんなの?」と思った瞬間、おじさん確定。

おじさん特有の傾向についてもう少し掘り下げるために、おじさん構文風の文章を自動生成する「おじさん文章ジェネレーター」の元となったアプリ「ojichat」の開発者であるぐれさん氏に、アプリ開発時に気づいた特徴について窺った。

「『なんてね』や『ナンチャッテ』『冗談 (笑)』といったフォローを入れる文章が見られる点に、おじさんらしさがありますよね。例えば、デートへの誘いや下心がありそうな発言をした後に散見されます。おじさん文章ジェネレーターで生成した文例ではこのような感じです」

「こんな日は会社休んでオレと旅館に行こうよなんてね」

「相手への気遣いとも、あわよくば何かを期待しているとも解釈できる微妙なニュアンスの発言です」(同氏)

続いて、筑波大学で人文社会系助教を務め、句読点の研究をしている岩崎拓也氏に、中年世代がこうした構文を使う理由を考察してもらった。

「携帯メールの延長でLINEなどのチャットツールを使用していることが、『おじさん/おばさん構文』につながっているのだと思います。しかし、同世代であるおじさんやおばさんにとっては、読みやすくわかりやすいものでもある。その“読みやすくわかりやすい”テキストを下の世代の若者に送っているため、その時代を知らない若者からすれば、ただの読みにくいヘンテコなテキストでしかないのでしょう」

「携帯メールの延長でLINE」というのは、例えば文章が長いというおじさん・おばさん構文の特徴にも直結しており合点がいく。例えば、若者が簡潔な表現(場合によっては「り」などの1文字)でLINEのやり取りをするのとは完全に真逆の方向性だ。

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