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AmamiyaMaakoの「スタジオはいります」【15】

【ASOBOiSM】嘘の言葉は書かずに等身大を心がける

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――クリエイティブを学び取れ! 気鋭のDTM女子による音楽道場破り

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(写真/河本悠貴)

[今月のゲスト]

ASOBOiSM(あそぼいずむ)
1994年、神奈川県生まれのシンガー・ソングライター/ラッパー。新感覚のアーティストとして多方面で活躍し、他アーティストへのフィーチャリングもそつなくこなす。また、ソングライターとしてCMやテレビアニメの楽曲提供も積極的に行っている。
Twitter〈@asoboism
Instagram〈@asobo_ism

今回はシンガー・ソングライターとして活動し、過去に対バン経験もあるASOBOiSMさんにお越しいただきました。2017年までは〈たなま〉名義で活躍されていたASOBOiSMさんに改名したきっかけや、楽曲制作の内情についても聞いてみました。

AmamiyaMaako(以下、M) 音楽との出会いから教えてください。

ASOBOiSM(以下、A) 小学校のときにピアノを習っていて、中学の吹奏楽部でパーカッションを担当、高校になってからは軽音部でドラムをたたき、大学のときにお父さんが持っていたギターを触るようになって作曲を始めました。

M ASOBOiSMに切り替えたきっかけは?

A 弾き語り界隈で活動しているときに、いつまで経っても頭ひとつ抜きん出た感覚になれなくて、このまま終わってしまいそうな不安に駆られたんですね。当時所属していた事務所からも「売り方がわからない」とか言われるし、そんなときにMOROHAさんのライブを見て、“ラップと弾き語り”という新しいスタイルに衝撃を受けました。それに感化されてラップを聴き始めたことが転換のきっかけになりました。

M 表現方法のひとつとしてラップを選ばれたんですね。

A ちょうどその頃に水曜日のカンパネラさんやDJみそしるとMCごはんさんが流行っていて、ラップという手法がより近くに感じられる時代になったと思うんですね。それまでヒップホップのカルチャーにはまったく触れていなかったけど、見様見真似でラップを始めました。

M 歌詞の内容に変化は?

A ガラッと変わりました。それまでの私は絵本のような物語の曲を作る“絵本系シンガー・ソングライター”だったんです。歌詞も物語調でファンタジー。でも、後半は売れないフラストレーションが溜まり、「私がどこに消えたって キミはどうってことないでしょ」とか、どんどん闇に落ちていき……(笑)。ASOBOiSMを始めてからは、自分の身の回りのことしか書かなくなりました。奥底に秘めている気持ちを、日記をつけるように出していく作業ですね。ただ、悪口や人を傷つけるために音楽をやっているわけではないので、嘘の言葉は書かずに等身大を心がけてます。

M 「スクランブルメンタル」、めっちゃ好きでよく聴いてます。日常の切り取り方がすごく素敵だなと感じているんですが、制作は普段どのような感じで?

A 生理前の不安定な時期になるとメモ帳に書き溜めるんですね。それで落ち着いてから言葉を選び、テーマを考える。ビートもなくメロディから作ることもあれば、「ライブで楽しめる明るい曲を作ろう!」とテーマを決めてからビートを作ることもありますね。

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