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第1特集
ピコ太郎の「SDGs推進大使」としての仕事もウォッチ!

「関心を持てばモテる」古坂大魔王のSDGs論

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――テレビをつけると芸能人が積極的にSDGsを啓蒙している。「本当に取り組んでいるのか?」と猜疑心を抱きながらも、持続可能な開発目標とはなんだろうか……と首を傾げる。本稿では、外務省のSDGs推進大使として活躍したピコ太郎のプロデューサーであり、自身も積極的にSDGsの活動に取り組む芸人・古坂大魔王氏に、活動内容やSDGsそのものに対する考えを正面から尋ねてきた。

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襟元にきらめくSDGsカラーのピンバッジ(と編集部が作ったSDGsクリアメガネ)。(写真/河本悠貴)

昨年3月に、国連環境計画(UNEP)が主導するUNEPサステナビリティアクションのアドバイザーに就任した古坂大魔王。自身がプロデュースを務めるピコ太郎もまた、2017年にSDGs推進大使に任命され、ニューヨークの国連本部で「PPAP」の新バージョン「SDGs〜PPAP」をパフォーマンスするなど、SDGsへの取り組みに意欲的だ。お笑い芸人/コメンテーター/音楽プロデューサーなど多くの肩書を持ち、マルチな才能を発揮する古坂大魔王が、SDGsに注目するのはなぜか。その真意を語ってもらった。

――SDGsに対して積極的に活動されている古坂大魔王さんですが、もともと関心があったのでしょうか?

古坂大魔王(以下、古坂) いや、まったく関心はなかったんですよ。

――では、どういった経緯で関わり合いを持つように?

古坂 国連の担当者の話では、これまでSDGsほど世界で統一された開発目標はなかったらしいんですね。だから今回は国連加盟国がみんな「各国、よろしくね」と、ちょっと本気モードなんですよ。「日本もSDGsに積極的に取り組んでいることを世界に広げたい」と日本の外務省も考え、そこの頭の柔らかい人たちが、僕のプロデュースしているピコ太郎の世界での活動を評価してくれていた――ということもあって、「PPAP」のSDGs版を作ってほしいとオファーが来て、その後、ピコ太郎がSDGs推進大使に選ばれることになりました。

――発端はピコ太郎だったんですね。

古坂 ピコ太郎の推進大使としての活動を通じて、プロデューサーである僕もSDGsに詳しくなっていくんですけど、そもそもこの「知る」という行為が難しいことなんですよね。芸能界で例えたら、「売れる」というのは「知られる」ということ。どんな仕事をしても、どんないい歌を歌っても、どんなに可愛くても、それだけじゃ売れないし、世の中が目を向けて知ってくれないと始まらない。ゆえにSDGsも、どれだけ広げられるかが大事だったわけです。広めないと意味がない。つまり、それにはエンターテインメントが一番向いていたんでしょうね。

――YouTubeでピコ太郎×外務省の「SDGs~PPAP~」や国連女性機関公開イベントで発表された「Gender Equal Peaceful World - GEPW」を拝見させてもらったのですが、動画として単純に面白く、友人とシェアしたいという気持ちになりました。

古坂 それがまさに流布ですよね。もうひとつは、2018年に子どもが生まれたことが大きい。SDGsに携わるまでは、正直なところ、僕自身は50年後、この世にいない可能性が大きいから、日本の環境がどうなっていようが関係なかったんですけど、子どもの50年後はまだ50歳なんだよな……って考えを改めまして。

――SDGsの中でも気になるのは、やはり環境問題ですか?

古坂 個人的には目標1の「貧困」、目標4の「教育」、目標17の「パートナーシップ」です。メディアでも温暖化が取り沙汰されることが多いけど、僕は「地球が壊れる」って言い方はおかしいと思っていて。結論、地球は壊れないと思うんですよ。ゴキブリが家を潰すことができないように、人間ごときが地球を壊せるわけがない。単純に地球に“住みづらくなる”ことはあるだろうけど、それでもクマムシなんかは生きられますからね。水と食料を得て、太陽を浴びなきゃ生きられない動物が生きられなくなるだけ。そういう意味では、温暖化よりも戦争をなくすことを考えるべきかなと。だって、人間を一番殺す動物の上位は人間ですから。あとは蚊で、ワニや虎はそれほど人間を殺してませんしね。

――言われてみれば、その通りですね。

古坂 温暖化で住む場所がなくなれば、それが原因で戦争が起きることもあるだろうし、純粋に食糧不足でもそうなる。僕らの世代ではないかもしれないけど、子どもや孫世代では、その可能性がちょっと見えてきてますよね。現に小麦や牛肉、米も石油も高くなっている。ほかにも半導体が買いづらい日本を見ていると、日本をどうこうするより、世界全体で考えなくてはいけない。そうしたことからもSDGsへの興味は深まりましたね。

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