サイゾーpremium  > インタビュー  > 【DJ IZOH&NAOtheLAIZA】ビート職人が夢のタッグ

――世界を制したターンテーブリストと、最先端のサウンドを構築する引く手あまたのトラックメイカーがタッグを組んだ。懐かしくも斬新な音楽の新しいスタイルだ。

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(写真/黒瀬康之)

DJ IZOHとNAOtheLAIZA。かたやDJバトルの最高峰「DMC World DJ Championships」を制覇した世界王者。かたや般若をはじめ、ANARCHYやAK-69、果てはTWICEのプロデュースまで手がけるトラックメイカーで、これまでも共同制作などで交流のある2人。もともとはIZOHがソロ作を制作するにあたり、旧知の仲であるNAOtheLAIZAにマニピュレーションを依頼すべく声をかけ、制作はスタートするはずだったが、その間柄から軌道修正を図り、ついには連名のプロジェクトへと昇華した。

発端となったのは、NAOtheLAIZAが10年以上前に完成させたがお蔵入りとなっていた自身のビートアルバムの存在。すでに完成しているビートを素材の状態にバラし、IZOHがその素材をターンテーブリズムで再構築するというアイデアだ。そうして完成したアルバム『CLASICK』は、ある種“アブストラクト/ブレイクビーツ”というジャンルにくくられるサウンド。オーセンティックでありつつも、現在進行系のサウンドを多く手がけるNAOtheLAIZAのビートらしからぬ音だ。しかし、DJシャドウの名作「Organ Donor」を彷彿させる「So What」を「作っている過程で気づかないくらい自分に染みついている」(NAOtheLAIZA)という、そのシャドウやDJ KRUSHなど、彼のルーツに回帰するようなオマージュ作品となっている。それを再構築するIZOHの回答も同様だ。

DJ IZOH(以下、I)「DJプレミアやDJ宮島、DJ KENTAROのスクラッチ・パターンのオマージュもあって、それはバトルの現場を離れ、時間が経った今だからできることだったんです」

彼も影響を受けたDJのスキルやシグネチャー・スクラッチを再現することで、互いがルーツを辿る作品となった。世界的に見ても、ビートメイカーとターンテーブリストが手を組んで作り上げたアルバムはめずらしく、その完成度の高さからも互いへの信頼度の厚さがうかがえる。

NAOtheLAIZA(以下、N)「まずキャリアのスタートがDJだったので、ターンテーブルを楽器として捉えているターンテーブリストに対するリスペクトがある。ずっとIZOHと作品を作りたかったし、しかも発想の回路が違うので、制作は刺激的でした」

I「以前、一緒に仕事をしたとき、もらったトラックの(ステム)データを見て、『このサウンドをこうやって作ってるんだ?』って衝撃を受けたと同時に、『この人は別格だ』と思いました」

お互いが自分の持たぬ部分を尊重し成り立っている、ある意味理想的な関係だが、それだけでなく人間的な部分でも相性が良い。

N「とりあえず、ヘンなヤツです。知り合った頃に一緒にラーメンを食べてたら、『このラーメン、冷たいっすね』って、どうもツッコミづらいコメントが返ってきたり(笑)。自分が誰かと仕事するときは、相手の性格やモチベーションを考えながら進めるんですけど、IZOHはそんな必要もない。世界王者らしいプライドは守るけど、普段友達といるときみたいな感じで作業ができる貴重な存在」

I「NAOはメディアに出るとすごいまともな人間として対応するんですけど、実際はそんなことないんですよ。ただ、音楽的にも人間的にもウマは合うし、今回の制作もスタジオに缶詰めの合宿状態だったけど、全然苦じゃなかった。トラックメイクに関しても、めちゃくちゃ信頼してますからね」

今作は、実はもともと1本につながった状態で完成したらしく、リリース後にはDJ IZOHの手によるミックスで本来の形でのお披露目も控えている。ライブ・パフォーマンスの予定もあり、この相性抜群のプロジェクトは、さらなる進化を遂げることになりそうだ。

(文/橋本 修)

DJ IZOH(DJいぞう)※写真左
ターンテーブリスト。2012年に開催されたDJバトルイベント「DMC」の世界大会で優勝を勝ち取る。ソロ活動のかたわら、ラッパー/シンガーのTARO SOULと共に〈SUPER SONICS〉としても活躍。

NAOtheLAIZA(なおざらいざ)
プロデューサー/トラックメイカー。韻踏合組合をはじめ、般若やANARCHY、AK-69などのラッパーから、TWICEといったK-POPまで、幅広いアーティストのトラックを手がける。

DJ IZOH & NAOtheLAIZA『CLASICK』 配信中

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