――『ゴジラ×メカゴジラ』や『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)など、数々の映画やドラマに出演してきた釈由美子がカナダのホラー映画で化ける!?
(写真/河西遼)
ポストコロナ時代に向けたパンデミックホラー映画『ロックダウン・ホテル 死・霊・感・染』が7月2日に満を持して公開。同作では海外映画初出演となる釈由美子が、主演に大きな影響を与えるキャリアウーマン役を怪演している。そんな彼女に作品の魅力から、撮影秘話までを語ってもらった!
――『ロックダウン・ホテル』に出演したきっかけは?
釈由美子(以下、釈) 監督のフランチェスコ・ジャンニーニさんは「妊婦で戦う女性」というか、「陰のある女性」である“ナオミ”を演じることができる女優を探していたみたいで。そのとき、私が出演した『ゴジラ×メカゴジラ』や『修羅雪姫』などを見て、オファーをいただけたそうです。
――率直に、どう思いました?
釈 出産してから子育てもあり、映画は長く家を離れることになるので出演していませんでした。でも、今回は「海外作品って、どんなものなんだろう?」という好奇心が湧いてきたんです。なので、これまで経験のない海外のスタッフやキャストと仕事をするという“武者修行”のつもりでした。
――実際に、日本と海外の映画で違いは感じられました?
釈 大きかったのは言葉の壁でしょうか。実は私、この現場にひとりだけで参加したんです。
――マネージャーもなしですか!?
釈 だって“武者修行”ですから(笑)。最初は現地で日本語を話せる方がいたんですけど、途中からスタッフや共演者と直接やりとりしたほうが早いなと思いまして。あと、映画のお話をいただいたときから、英語の勉強はしていたんですけど、撮影場所だったカナダのモントリオールの公用語ってフランス語なんです……。だから、話しかけても最初は「?」でしたけど、そのうち開き直ってジェスチャーを交えながら、徐々にコミュニケーションがとれるようになりました。
――ハードな現場だったんですね……。一方、演技もかなりハードでしたね。
釈 ウイルスに感染した状態で床を這いずるシーンでしょうか。あれは全身が筋肉痛になるほどハードでした。ナオミは夫や母親などの家族から異国の地まで逃れて、そこで殺人ウイルスに侵されながらも、おなかの子どもを守るために“戦う”という強い女性なんです。なので、バトルシーンはありませんが、私にとってこの作品はホラー映画というよりアクション映画なんです。
――あの鬼気迫る表情は、すごかったです。
釈 ありがとうございます。ただ、あの極限的な状況は極端な演技なので、やりやすい部分がありました。自分がもっとも気を使ったシーンは、ウイルスに感染しているかしていないかの、境界線のシーンなんです。
――と、いいますと?
釈 ナオミがホテルに入ってから、軽く手が震えたり、せき込んだり、ウイルス感染を示唆するようなシーンがあります。そこを自然に演じることができれば、観客のみなさんにとって、よりリアルに殺人ウイルスの恐怖を伝えることができるんじゃないかと。
――確かに。今は状況が状況なので、ドキッとしました。
釈 映画を撮影しているときは、まさかこんな状況になるとは思っていませんでしたけど。今見ると、制作側が意図していた以上の迫力みたいなものを感じられるのかもしれません。そのほかにも、ウイルスに感染したときの特殊メイクや非常階段の緊迫した映像など、見どころは満載です。
――ファンが一番気になるのは、釈さんの“武者修行”の成果でしょうか。
釈 それは見てのお楽しみということで。
(文/丸山大次郎)
(写真/河西遼)
(ヘア&メイク/田中宏昌)
(スタイリスト/安永陽子)
釈由美子(しゃく・ゆみこ)
1997年デビュー。女優、タレント。映画『修羅雪姫』、『ゴジラ×メカゴジラ』、『KIRI職業・殺し屋』、ドラマ『スカイハイ』、『7人の女弁護士』(共にテレビ朝日系)などで主演を務め、出演作品は累計100作を超える。ほかにも舞台、グラビア、イベント、ナレーション、広告出演など、多方面で幅広く活躍。『釈ボディ:Shaku's Body Making Method』(学研プラス)ほか、出版物も多数。愛犬家、一児の母。
[衣装協力]
ドレス(6万4900円)/divka/DRESSUNREVE
〈問い合わせ先〉
ドレスアンレーヴ(DRESSUNREVE Co.Ltd.)/03-5468-2118
(C)2020 THE HORRORS OF HALL PRODUCTIONS INC
『ロックダウン・ホテル』
仕事も兼ねて日本からやってきた臨月間近の妊婦・ナオミは、運悪く殺人ウイルスが蔓延するホテルに宿泊してしまう。やがて、彼女の身体に異変が現われ始め、さらに逃げ場のない地獄と化したホテルでは想像を絶する心霊現象までが多発する……。コロナ禍の世界を予言したかのような、戦慄パンデミック・ホラーが、7月2日よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテほか全国ロードショー。