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第1特集
コロナ禍の犯罪と社会問題【2】

クラスターの発生源なのか?――コロナ禍の日本の刑務所

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 昨年、新型コロナウイルスが世界で感染爆発した当初、中国、イラン、アメリカ、フィリピン、ブラジルなど、さまざまな国で感染抑止策として刑務所に収容されている受刑者の多くが釈放された。

 確かに「密」な空間ではあり、日本でも今年の2月には千葉刑務所や横浜刑務所でクラスターが発生したが、他方で河合氏によると「日本の刑務所は安全地帯」とのこと。以下、河合氏の談。

「昨年、各国で受刑者の釈放や一時釈放が報じられましたが、ナイジェリアなど国によってはいまだに混乱が続いているみたいですね。

 一方で、日本の刑務所は安全です。というのも、刑務所という場所自体、いきなり入れないから。まず、先に留置所に入るので、待機期間が生まれるんですよ。

 むしろ、留置所のほうが困っているような状態です。留置所は成人と少年を分けるように法令で決められていて、絶対出会わないように区画分けしてあるのですが、今は新入りが来れば、少年がいない少年房に拘留するんですよ。そうすることで数日間してから成人用の留置房にしばらく置きます。そこである程度チェックして刑務所に入るので、刑務所は留置所よりも安全なわけです。

 さらに、もし陽性という結果が出たら、隔離する必要がありますが、刑務所はそもそも外出できず、単独房に隔離できますし、拘置所も個室があります。だから、刑務所側は空いていれば楽ですよ。

 重症化しそうな受刑者がいる場合は、死んだら人権問題になりますので、高齢者であったり、持病を抱えていたり、今も咳が止まらないような者だけ、検査や治療をしているようです。刑務所内にも陽性者はいると思われますが、検査せずに独房に放り込んでおくだけで、受刑者側は安全ですし、感染拡大の心配もない。雑居房に入る前も、先に個室に入れて2週間経過してから雑居房に移せばいいだけです。むしろ、刑務官が外で感染する可能性のほうが大きいでしょう。

 そのため、日本で海外のようにコロナの感染拡大を受けて、受刑者たちを解放するような事態になるのは、はるか遠く先のことでしょう。留置所も3人収容できるところにひとりしか入っていませんし、こんな快適でいいのかという声が上がるほどです。まあ留置所は懲罰ではない建前ですが。

 むしろ、東京拘置所なんかは個室でベッドの房さえあります。なので、今後感染爆発して収容施設がないなんてことになっても、いざとなったら……」

コロナ禍で学校でのいじめは減ったのか?――学校再開後は不登校の生徒も学校復帰!

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 昨年の1回目の緊急事態宣言の際は、一斉休校になったことで、子どもたちの間でのいじめは物理的に減ったかのように思われたが、一方で5月現在、「文春オンライン」の「旭川イジメ凍死事件」に関する一連の記事が話題を呼んでいるように、事件化していく校内問題もいまだに健在。他方で、土井氏によると長期休校によって、興味深い現象が見られたという。

「昨年、5~6月頃に学校が再開されたときには、不登校だった子どもたちの多くが登校を再開しました。春先の遠隔授業への出席属性を見てみると、不登校の子どもたちも多く参加していたのですが、ある調査によると、その9割以上がその後に登校を再開しているんです」

 人間関係のつまずきによって不登校になってしまった子どもが、コロナ禍による一斉休校のあと、登校を再開できるようになったのは、ある種の怪我の功名とも言えそうだが、その理由のひとつとして、土井氏は「人間関係のリセット」を挙げる。

「これまで1回つまずいた子の学校への復帰は難しかったのですが、一斉休校によって学校内でのすべての人間関係が止まったことで、スタートラインが一緒になったと思えたのでしょう。もうひとつは、まさにソーシャルディスタンスです。学校でも密な人間関係が求められなくなり、『教室にひとりでいてもよい』という雰囲気が拡がったのでしょう。人口密集地では犯罪が多いように、人間関係が濃密なところではいじめも起きやすくなりますが、それが希薄になると、いじめも減っていきます。もちろん、ソーシャルディスタンスは、公の場での関係性を希薄化させる一方、そうやって外部と切り離されることで、もともと親密な仲間内での関係性は、さらに濃密化していくことにもなりますが」(同)

 このような、コミュニケーションが一部だけで完結することについては、コロナ禍以前からリアルな人間関係の世界と、バーチャルな世界の垣根がなくなっていることも関係しているという。

「若年者にとって、ネットの世界はバーチャルな世界ではなく、拡張現実なんです。現実のほうがネットに広がっているんですね。例えば、『リアルな親友と普段どの程度会うか?』という調査では、実はコロナ禍以前から『対面ではあまり会わないけど、ネットでは毎日LINEしてる』といった結果が出ていました」

 アメリカではインターネットで学習する「バーチャルスクール」という教育方法が、コロナ禍前から注目されていたが、いじめを減少させるという考え方からすると、もしかしたら一斉休校とバーチャル授業は効果があるのかもしれない。

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