サイゾーpremium  > インタビュー  > 【松居大悟】自身の舞台劇をどのように映画化したのか?
インタビュー
独自の空気づくりで映画を醸成する監督

【松居大悟】「映画みたいな劇的な展開って現実にはあまりない」――気鋭の劇団主宰者による映画作り

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――自身の主宰する劇団ゴジゲンの舞台を成田凌主演で映画化し、映画監督としても注目の松居大悟。彼が舞台の雰囲気をスクリーンでどのように表現したのか?

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(写真/有高唯之)

「『こんな情けない映画を撮ってるんだから』と、盛り上がって、撮影中はルールとして、キャスト6人と、プロデューサー、監督の僕は禁欲を約束しました。すると、撮影の最中はみんな、どんどん童貞の顔になってきたので、狙い通りでしたね」

 そう語るのは、成田凌主演の映画『くれなずめ』で監督を務める松居大悟。26歳、自身も童貞のときに『アフロ田中』で商業映画デビューを飾った松居だが、30代半ばになっても、その精神は健在だ。

「『このキャラクター、俺たちみたいだ!』って、お客さんに思ってほしいんですよね。めちゃくちゃイケてる奴らがモテない役を演じてるのを見ると、『バカにするな!』って気持ちになるじゃないですか。だから、何考えてるかわからない、さえない顔もできる成田くんを主演にして、ハマケン(浜野謙太)や目次(立樹)に親近感を託して」

 松居は過去作『君が君で君だ』でも、池松壮亮に好きな女の子の髪の毛を捕食させるシーンを撮るなど、俳優をイケメンに見せない手腕に定評がある。

 なぜ俳優たちは、松居の前では、自分をさらけ出すことができるのか? 松居は稽古中から、他の映画の現場とは異なる、独自の空気を作っていたという。

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「異形と異端」が 動かすニッポン論

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