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友清哲のビールの怪人【13】

ホヤの研究から一転、ビール醸造の世界へ!――海外ビールの模倣ではないオリジナルを造りたい!

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――すべてのビール党に捧ぐ、読むほどに酩酊する個性豊かな紳士録。

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理系らしい理知的なトークでビール愛を語ってくれた木水朋也さん(31歳)。「人手不足が悩みのタネ」という多忙ぶりも、ファンに認められているからこそだ。

 ブルワーには、意外な前職を持つ人が少なくない。当連載でもこれまで、アメリカ空軍、和食の料理人、ミュージシャンと、多彩なキャリアを持つ怪人たちにご登場いただいてきた。新宿「Vector Beer Factory」の木水朋也さんもまた、学生時代をホヤの研究に捧げながら、現在はブルワーとして辣腕を振るう変わり種だ。まずは、なぜホヤに興味を持ったのか、広島大学理学部在籍時代を振り返ってもらおう。

「実はたいした目的意識はなくて、仲のいい先輩がいた研究室を選んだだけなんですよ。でもこれが意外と面白くて、具体的にはホヤがどのようにしてバナジウムを高濃度で濃縮しているのかを研究していました」

 ホヤにはバナジウムという金属が高濃度で含まれる。しかし、なぜホヤだけがバナジウムを濃縮するのか、それがどのような仕組みで行われているのかは、一切わかっていないのだという。

 でも、この研究は一体、なんの役に立つのだろうか?

「バナジウム自体はさして有用な金属ではないですが、その仕組みを解明できれば、海水のイオンからレアメタルを回収できるようになるかもしれません。……というのが表向きの目的で、本音としては単に気になるから研究していたにすぎません(笑)」

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