――カメラマン・デザイナー、そして親日家としても知られるアッシュ・ハドソン。そんな彼が自らが体験した日本の“アングラ文化”を詳細にレポート。
※写真はイメージです。
「猫柳」オンラインショップ〈http://nekoyanagionline.com〉
いろいろ経験している俺でも、いまだ試したことがなく、20歳くらいの頃からずっと魅了されているフェティッシュがある。それが“全身ラバー女性”とのセックスだ。体にピッタリと張り付いたエナメルのような輝きを放つラバーの衣装は、体をよりセクシーに見せるし、当時LAに住んでいた俺は、雑誌の写真を眺めては妄想にふけっていた。特に目だけを出した、つま先から頭までのフルボディスーツを着た姿は、可愛く見えるときもあれば、悪魔のように見えるときもある。はたまた、スーパーウーマンのようにも思えるし、世界的アーティスト、空山基氏が作るロボットのオブジェのようにも見える。そんな俺みたいなラバー好きのファンタジーを裏で支えるショップが大阪にある。今回ショップに足を運ぶことはできなかったが、ラバーのパンティからカスタムメイドのフルボディスーツまでを販売する「猫柳」のオーナー、中間氏に話を聞くことができた。
「お店は09年にオープンしました。最初はイギリスからのインポートのラバー・コスチュームを販売していたのですが、3~4年前からオリジナルで作り始めました。お客さんはもちろんSM嬢の方もたくさんいらっしゃいますが、一般のラバーフェチの方も多いんです。ただ、バキュームベッド(ラバーベッド)などは基本的には個人の方にはお譲りしていません。使い方を誤ってしまうと窒息する可能性もありますので。最初はファッション目的のレディースの衣装から始めたのですが、実は今は男性の方が増えましたね」
俺自身「着用したい」という欲がないからわからないが、男たちは何を求めてコスチュームを着るのだろうか?
「着用時の締め付けや、自分の皮膚の一部になったような感覚が心地よいのだと思います。ラバーフェチは男性の方に多いんですよ。中には全身をラバーで覆い、頭にはガスマスクをつけて呼吸さえも管理されるのを好む方もいます。その他、天然ゴムの甘い香りが好きだったり、ラバー特有の光沢を好む方も。ちなみに、カスタムメイドのボディスーツは3万8000円から承っています」
なんだか、話がラバー・コスチュームを着る男に逸れて色気がなくなってしまったが、カスタムメイドのフルボディスーツの値段がそんなに高くないことはわかった。今すぐにでも、家に3人の女性を呼び、頭まで隠れるボディスーツを着せて、壁に張り付けてバイブで何度もイカせたい勢いだ。まあ、マクドナルドを食べながら、部屋でこの原稿を書いているのが現実なのが悲しいが。
アッシュ・ハドソン
1972年、ロサンゼルス生まれ。ガンズ&ローゼズのギタリストであるスラッシュを実兄に持つ。幼少期からグラフィティ・アーティストとして活動を始め、自身のブランド〈コナート〉を立ち上げる。親日家として知られており、近年は新たなクロージングライン〈アッシュ・コレクション〉のデザイナーや、カメラマンとしても広く活躍している。インスタグラム〈@ashfoto〉