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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第64回

【クロサカタツヤ×金田賢哉】ドローンを育て一緒に働く未来は目前!? 起業家兼研究者が予言するロボットが平等な未来

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

――ドローンというと何を連想しますか? 世間を騒がせる迷惑マシン? それとも未来の輸送手段? はたまたちょっと楽しいオモチャ? いろんなイメージが拡散すれど、実はまだまだ未知の可能性を秘めた技術。そんなドローンと人の共存を目指しベンチャー企業を立ち上げた研究者兼起業家は、いったいどんな世界の到来を夢見ているのか。

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さまざまな用途に向けて開発されている、本郷飛行機の革新的なドローン。(本郷飛行機株式会社ウェブサイトより)

クロサカ 今回のゲストは、本郷飛行機というドローンの研究開発をしているベンチャー企業を創業された金田さんです。金田さんとは、船舶の自動航行に関する研究会でご一緒して、一度じっくりとお話したいと思っていました。具体的にどんなお仕事をされているんでしょうか。

金田 ウチの会社では、ドローンやロボティクス技術【1】全般の研究開発をやっています。特徴的なのは、ハードウェアだけとか、ソフトウェアだけでなく、両方ともに加えて、全体を管理するオンラインシステムや、そのオペレーションまでやっているところです。

クロサカ 自分たちで機体もシステムも全部作るなんて、まるでエアバスとか航空機メーカーみたいですね。

金田 会社の規模は違いますが、やっていることは非常に似ていると思っています。事業のなかで特にウェイトが大きいのは研究で、全自動で飛ぶドローンの開発がひとつです。ドローンが自動で飛ぶには、そもそもモーターや制御だけでなく、空間認識や画像処理、さらにそれらを判断する人工知能も必要です。そうやって作ったものを製品として販売したり、お客さんにコンサルティングをしたりといったことが具体的な仕事です。

クロサカ 大学でもドローンの研究はできるじゃないですか。なぜ、会社を作ってまで研究しているんですか。

金田 親族に飛行機に関係する人が多いこともあって、もともと飛行機が好きだったんですよ。それで流体力学【2】をやりたくて東大の航空宇宙工学科に入り、ドローンの研究開発を始め、在学中の2015年にこの会社を作りました。途中で休学を挟みながら大学での研究も続けていて、今は博士課程の最終年に当たります。あんまり大学にはいないんですけど(笑)。

 実は、本郷飛行機の以前にも起業していて、クラウドファンディングサイトの「Readyfor」の立ち上げに参加したり、家電を操作するIoTサービスの会社を経営したりしていたんです。こうしたIT系の企業をやってきて、結構上手くいっていたんです。一方で、飛行機に関してはあくまでも趣味でした。そもそも日本の飛行機産業は小さいし、流体力学を研究していてもあまり儲からないんですよ。でも、研究にはお金が掛かるので、ITで儲けて、そのお金で研究するつもりだった。ところが、ドローンが登場して、大きく状況が変わりました。ドローンって、センサーや通信機能を搭載していてIoTデバイスとしての側面もある。つまり、仕事としてのITと趣味の航空が、ドローンによってひとつになったんです。

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