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インタビュー
ばね工場の機械音をMCとして迎えて、楽曲を作りました

【INDUSTRIAL JP】「ばね工場の機械音はラッパーみたい」シンクロする日本の町工場とダンス・ミュージック

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――高い技術力を有す日本の町工場。〈INDUSTRIAL JP〉なるレーベルは、そうした工場にある機械の動作音と映像を採取し、再編する! その“元ネタ”のひとつである、ばね工場を訪れた。

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(写真/有高唯之)

 夜の町工場。素朴な木製の床と裏腹に、並んでいるのはハイテクな機械。複雑な動きを見せるアームによって金属が巻かれ、カチャッ、カチャッと一定のリズムを刻む──。ここは、大田区・蒲田にある〈小松ばね工業〉。1941年に創業した、ばね工場の老舗である。すべて受注生産で製造されるのは、身近な通信機器や家電、OA機器などに使われる精密ばね。熟練した技術を要し、業界有数の精度の高さを誇る製品を生み出す。

 ダンスフロアとは程遠い、この場所で鳴る機械音が、今、楽曲になっている。それが〈INDUSTRIAL JP〉というプロジェクトだ。「町工場をレーベル化する」というコンセプトのもと、日本国内の町工場をめぐっている。音楽監督は、DJのMOODMAN。彼が工場内の機械音を採取、それらはトラックメイカーに渡され、ダンス・ミュージックとして再構成される。また、アートディレクターの下浜臨太郎が工場で撮った映像は、中毒的なテクノのMVのように機械の動きをサンプリングしたもので、製造過程を丁寧に解説した字幕も付き、機械の仕組みまで学べる。これらの楽曲と映像を組み合わせた動画をYouTubeで視聴でき、音楽サイト〈OTOTOY〉では楽曲を購入できるのだ。

 そんなMOODMANと下浜に加え、世界的なテクノDJであり、小松ばね工業の音で楽曲を制作したDJ TASAKA(写真右)がこの日、同社の工場内にいた。

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