サイゾーpremium  > ニュース  > 芸能  > ベテラン芸能記者が回想する【女性芸能人の独立】と“男”への依存
ニュース
【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ 今昔物語

安室奈美恵に中森明菜……ベテラン芸能記者が回想する女性芸能人の独立と“男”への依存

+お気に入りに追加

――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの"今昔物語"を語り尽くす!

1409namieamuros.jpg
『ピアノソロ 安室奈美恵「Ballada」』(ピアノ・ソロ)

 先日、安室奈美恵が独立するというネタが週刊誌で報じられた。芸能人が長く所属した事務所から独立することは決して珍しいことではない。近年では小林幸子。その独立の仕方を巡って女性スタッフと長期に渡り揉めて、マスコミを賑わせたのは記憶に新しいところだ。

「芸能人は売れてくると多少、天狗になりワガママになる。デビュー時から売れるまではマネージャーの言うことを素直に聞いていたのが、売れると立場は逆転し、マネージャーを顎で使うようになる。さらに、金銭面や仕事面で不満を持つようになり、独立という道を選ぶ。ところが、事務所側はここまで育ててきて、ようやく商売的にもうまくいき始めたのに、独立されたら育ててきた意味もないし、一気に儲けがなくなることから揉めてしまう」(芸能関係者)

 金と仕事。そこに人間関係が絡むという構図である。我々、マスコミは芸能人よりもマネージャーらと接触することが多く、マネージャーの愚痴もよく聞く。大学卒業後、「芸能の仕事に興味があった」ことから中堅プロに就職したA氏は二年足らずで辞めてしまった。

「一年目は華やかな世界でつらい仕事ながら楽しかったのですが、二年目に女性アイドル歌手のマネージャーを担当させられて認識が変わりました。その子はとにかく扱いがひどかった。すでに売れていて入社前はテレビでも“可愛い子”だと見ていたのですが、楽屋では『肩を揉んで』『お茶がまずい。外でお茶を買ってきて』と人を顎でこき使う。なんで年下のこんな子に使われなきゃならないのかと、我慢できず辞めてしまいました」

 外から見るのと中の芸能界は違うことをまともに体験してしまった。昔の芸能界は「芸能人もマネージャーも学歴不問」の世界だったが、近年は大卒も普通にいる。

 余談だが、大手芸能プロに「東大卒」が入社してきて話題になったこともあった。「東大まで出て、なんで芸能プロに入るの」と揶揄されたこともあったが、東大卒のマネージャーとして業界内でちょっとした有名人になったこともあった。

 今や一流大学出も普通にいるが、「芸能界に入れば女優や歌手とひょっとしたらいい仲になれる」というスケベ心が動機という男もいる。女子アナ志望の子が「アナウンサーになれば野球選手や芸能人などの、玉の輿婚に乗れる可能性が高い」というのと変わらないが、女子アナほど願いが成就する確率は高くない。マネージャーとの結婚は演歌の八代亜紀と水前寺清子ぐらいだ。

 マネージャーは決して興味本位やスケベ心でできるものではない。「好きこそものの上手なれ」の言葉のように、好きでなければできないお仕事。「担当する女優でも歌手でも個人的に惚れこめば、どんな無理難題でも耐えられる」と業界の人がいう。

 旧知の知り合いにその鏡のようなマネージャーがいた。何人も女優を抱えていたが、女優のためなら「土下座でもできる。そうやって仕事もとってくる」虫も殺さないようなやさしい顔でよくそう言っていた。飲んでいても、女優になにかあったら、酒を切り上げて飛んで行った。

 著者ともやり合ったことがある。所属女優のスキャンダルを取材していた。新年号のため取材は年末だった。彼はすぐさま「会って話をしたい」と大晦日の夜、六本木の店にやってきた。そこでも土下座せんばかりに私を説得した。ちょうど除夜の鐘が鳴っている時間だった。そこまでやられると、少し記事に手心を加えることになった。また、こんな話もしていた。

「長年、女優のマネージャーをしていたら、彼女たちに言われなくても、“今日は生理だな”とわかります。生理の日はその人によって機嫌が変わったりするので、対応法として当然、把握しなければならない」

 女優に惚れて仕事した結果、立場は逆転する。女優から慕われ、モテモテだった。ときには女優との仲をマスコミに取り沙汰されることもあったが、やがて、何人もの女優を連れて独立。社長の座に就いた。

 惚れるのではなく惚れさせる。マネージャーとはそこまでしなければならない。何人ものマネージャーをわがままで変えた伝説を持つ中森明菜。大手事務所から独立後、六本木の黒服が一時、マネージャーをしたこともあるが、「超がつくわがままな明菜も好きな男には素直に言うことを聞く。彼女のマネージャーは恋人でなければできない」と言われていたゆえんであろう。

 安室の独立騒動の影にも五十代の音楽プロデューサーがおり、その関係も取り沙汰されている。女性の芸能人が独立する場合、決まって後ろに男の影が見え隠れすることも、これまでの芸能史が物語っている。

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年2月号

“男性学”のススメ

“男性学”のススメ
    • 【男らしさ】イメージの変遷
    • 男性学(基)【ブックガイド】
    • 【キリスト教】の男性優位主義
    • 女子が萌える【ラップ男子】
    • コロナ禍で始動【Zoomgals】
    • サンドウィッチマン【男同士のケア】
    • 【青柳翔】が語る“男らしさ”
    • オトコが乗る【軽自動車】
    • 【マンガ・アニメ】の軽自動車
    • 【ジャニーズ】男性アイドル像
    • 時代錯誤な【ジェンダー観】
    • 【サザエさん】は有害か?
    • 『サザエさん』の【初回】
    • 【井田裕隆】に聞くAV男優像
    • ポルノ視聴と【男性性の劣化】の関係
    • おじさんの【フェイスブック】
    • 【フェイスブック運営】側とのズレ
    • 育児特化の【ベビーテック】
    • 5秒でわかる【ベビーテック】
    • 【自民党】に根付く男尊女卑

「篠崎こころ」ラグジュアリーに魅せた麗しさ

「篠崎こころ」ラグジュアリーに魅せた麗しさ
    • 【篠崎こころ】召しませ #金髪ショー党

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【岡田結実】バラエティの人気者はエゴサで成果を感じる
    • 【STUTS】人気トラックメイカーがラップに初挑戦!
    • 【土井裕泰】TBSのエースディレクターの問題作に迫る

連載

    • 【あまつまりな】流れに身を任せちゃうんです。
    • 【グレイテスト・ラウンドガール】に新メンバー!
    • あの素晴らしい【恵美】をもう一度
    • 【コロナと不況】21年に生き残る術
    • 【萱野稔人】ソロ社会化とコミュニティの変化
    • ありがとう、【小松の親分さん】
    • ワクチンがつくる【コロナ後の世界】
    • 【丸屋九兵衛】ショーン・コネリーを語る
    • 【町山智浩】「ストレンジ・フィーリング」カトリックの洗脳とオナニー
    • 【コロナ対策論議】の根本的欠如
    • 「謎」と「静」で振り返る【2020年】
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【笹 公人】「念力事報」鬼狩りの時代
    • 【稲田豊史】「妻が口をきいてくれません」圧巻の“胸クソ”読後感
    • 【辛酸なめ子】の「佳子様偏愛採取録」
    • 【本場仕込み】のビールが飲める“リビングルーム”
    • 【更科修一郎】幽霊、批評家は文化的背教者なのか。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』