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キングオブコメディ・高橋健一とアイドルライター・小明の「卑屈の国の格言録」第15回

我々の中にあって、一番価値のあるものは、子どもの心である。

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どんなに立派なお言葉も、決して素直に受け取らない卑屈家が2人。そのこじれた思考に、偉人たちの格言を浴びせてみると……?

今月の格言

我々の中にあって、 一番価値のあるものは、子どもの心である。

ウォルト・ディズニー(Walt Disney)
1901年、アメリカ合衆国生まれ。ミッキー・マウスを生み出し、55年にはディズニー・ランドを創設し世界中を席巻したアメリカ文化の象徴的存在。66年没。

 今回は「我々の中にあって、一番価値のあるものは、子どもの心である」。夢と魔法の国を創ったウォルト・ディズニーさんの格言なんですけど、パーケンさんってディズニーランドとか行ったことあります?

 馬鹿にしてんのかな。開園した年から行ってますよ。

 いやぁ、貧乏な人ってディズニー行けないイメージあるじゃないですかぁ。っていうか開園したの、いつでしたっけ?

 1983年で、私が中学1年生の時です。

 ヤダ、私生まれてない(笑)!

 何? その若さアピール。いらないよ、そういうの。開校記念日に友達に誘われて行ったんだけど、最初はまったく興味がなかったんだよ。「女の子の好きそうな場所で、ぬいぐるみのショーとか見るんでしょ?」って感じで、遊園地ってイメージもなかった。で、行ってみたら「こんな未来みたいな町で、真っ暗な中、ロケットみたいなジェットコースターに乗れるなんて!」「無人島、本物の岩じゃないのに、こんなに岩みたい!」「水の上を船で走ってる!」って、もう、乙女心よりも冒険心をくすぐられて、非常にびっくりしましたよ。

 中学生のパーケンさん、純粋! 私は子どもの頃は親がディズニーフリークだったんで、ディズニーの年間パスポートとか持ってたんですよ。ただ、暗い子どもだから、アトラクションに乗った後にキャストの人がニコニコして「楽しかった?」って聞いてくれても、「知らない人に話しかけられた、怖い」と思って無視しちゃって。それで一緒に行ってた母親に「あんたは本っ当にかわいくない!!」って言われて。そもそも、キャラクターが苦手だったんですよね。「中からキャストが無言でこちらを覗いている」って思うと「あ、ああ……」ってなって近づけなくて、それでまた母親の機嫌が悪くなって「本っ当にあんたは……」のループですよ。トラウマ。

 それは小明ちゃんの考え方が子どもだからだよ。そういうのを、「この中に人間はいないんだ。本当にこの夢の国で暮らしてる、こういう生物なんだ」っていうふうに、大人の心を持って接すれば、もっと楽しむことができるんじゃないの? 「うんこもしない、性行為もしない、とても純粋な生き物なんだ」って。そう考えると、この格言は矛盾してるね! 子どもはやっぱさ、チャックを探しちゃったりするでしょ!

 チャックも探しちゃうし、柔らかいから大丈夫だろうと思ってモスモス殴って怒られたりしてますよね。

 私が中1の半ズボンの頃、確かトム・ソーヤ島のはずれくらいに、作りかけのビニールシートが貼ってあったの。今でも忘れない、白いビニールシート。完璧な世界の中に、まだちょっと作りかけの部分が急に現れるから面白くなっちゃって、「この向こうはどうなってんだろう」って、めくって見ようとしたりして、よくない楽しみ方をしちゃったんだけど、今は大人だから、そういうのを見ても「これは現実の世界との境界線じゃなくて、あくまで夢の国の中の工事業者が、夢の国の中で年度末調整をしている、夢の国の中での公共事業なんだ」って思えるよ。だから、「一番価値があるのは、大人の心である」だよ。

 夢があるんだかないんだかわかんなくなってきましたね。

 まず、子どもが行ける入場料じゃないしね。徹底的にお金をかけて、ビジネスにすることも、すべて「子どもの心」とか、「夢」とか「魔法」という言葉に包んでいるからね。

 でも、お金がかかることばっかりじゃないですよ。シンデレラ城のミステリーツアー(今はもうない)は、子どもが主役になる上に、豪華なメダルがもらえたし。私は何十回行っても主役に選ばれなかったんですよ。たぶん、キャストと目を合わせられなかったから。

 あれは、子どもに剣を渡して、その子どもがメダルをもらって一件落着になるでしょ。あれ、大人だってやりたいんだからね。アンガールズの田中くんは2回くらい手を挙げたのに、1回もやらせてもらえなかったんだよ。小明ちゃんはそこでも幼稚なとがり方をしちゃうから剣を渡されなかったんだよ。小明ちゃんが、まだ子どもの心だったからだね。もっと大人の心をもって、オリエンタルランド側の気持ちを理解できるようになれていれば、メダルももらえて、本当のディズニーを楽しむことができたんだろうね。

 そんなに察しなきゃダメ? 夢の国なのに?

(構成=小明)

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あかり
1985年生まれ。02年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞。サイゾーよりCD「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。サイゾーテレビ『小明の副作用』出演中。最近、イチゴ狩りに行ったらしい。


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たかはし・けんいち
1971年生まれ。お笑いコンビ・キングオブコメディとして『キングオブコント2010』優勝。愛称はパーケン。サイゾーテレビ『ニコニコキングオブコメディ』出演中。最近、潮干狩りに行ったらしい。


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