サイゾーpremium  > 連載  > 宇野常寛の批評のブルーオーシャン  > 【連載】「PLANETS」vol.812月25日発売
連載
宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第32回

「PLANETS」vol.8 12月25日発売

+お気に入りに追加

──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

1301_az_planet.jpg
「PLANETS vol.8」

 約7年前からずっと自費出版している批評誌「PLANETS」の最新号(vol・8)が、この25日に発売になる。副題は「僕たちは夜の世界に生きている」で、特集のテーマは「情報社会」と「日本的想像力」だ。

 なぜ今「情報社会」と「日本的想像力」について考えるのか。その答えは明白だ。僕たちはこの2つこそが、日本の、そして世界の未来をつくると信じているからだ。

 僕は今34歳だが、思春期から現在に至る時間のすべてを「失われた20年」と呼ばれる暗闇の中で生きてきた。戦後の奇跡の復興物語はバブル経済で頂点を迎え、その崩壊後は経済に限らず、この国のありとあらゆるシステムがその耐用年数を過ぎてエラーを起こし、機能しなくなっていった。この国は、いわば社会の基本となるOSがアップデートされないまま放置されている状態にある。したがって僕たちは、グローバル化時代に適応したポスト戦後的社会システムを構築し直さねばならない。

 そしてそのための手がかりは、すでにこの日本社会の内部にあふれている、と僕たちは考えている。僕の盟友である社会学者の濱野智史は、「その『希望』は『市民社会』(政治)や『ものづくり』(経済)といった〈昼の世界〉には存在しない。少なくともこれまでは社会的には日の目を見ることのなかった〈夜の世界〉――この20年で奇形的な発展を見せたサブカルチャーやインターネットの世界にこそ存在する」と言う。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年11月号

「異形と異端」が 動かすニッポン論

「異形と異端」が 動かすニッポン論
    • なぜ、我々は横浜流星に惹きつけられるのか?
    • なぜ、『べらぼう』は異形の大河なのか?
    • [特別対談]立花孝志×上念司
    • 参政党は叩かれて強くなる!
    • [対談]安田淳一監督×阪元裕吾監督
    • “因習村”源流としての金田一
    • 日本一早いプロ野球順位予想

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【かとうれいこ】27年ぶりの写真集発売、レジェンドがグラビア復帰を決断した理由
    • 【Small Circle of Friends】切なさと力強さ。正しさと優しさ。アズマとサツキの絶妙ブレンド。
    • 【日爪ノブキ】仏で国家最優秀職人章に認定された男が推し進める「人類帽子計画」
    • 俳優生活11年、木竜麻生の現在地
    • 超大物アーティストが愛用する シルバージュエリーブランド──「サーティーンデザインズ」代表インタビュー

連載

    • 【マルサの女】橘 和奈
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • GROOVE SEQUENCE──NJSとLDHの親密な関係値
    • 【特別企画3】マッチングアプリが変えた恋愛の価値観
    • 乙女たちの官能界隈
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ