サイゾーpremium  > 特集  > 宗教  > 【芸能事務所幹部】がタレントを宗教勧誘

――週刊誌を中心に、しばし報じられる芸能人の宗教“ゴシップ”。怪しいカルト宗教にハマり、周囲を勧誘する者、すべての仕事を捨てて信仰に走る者など、メディアで報じられる彼らの姿はさまざまだ。だがこうした際、所属する芸能プロはどのような対策を取るのだろうか?

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ジャニーさんのお気に入りの滝沢秀明。ジャニーさんより大作先生を尊敬している?

 宗教と芸能人の関係は、これまで多くのケースが問題となってきた。もちろん芸能人にも信仰の自由はあり、その信仰も仏教やキリスト教といった馴染みのある宗教であれば問題視されることはほとんどない。だが、宗教の中でも異端と呼ばれる宗派であったり、そこから派生した新興宗教の中には、社会問題化する団体も少なくない。

 また、近年はさまざまな新興宗教に加えて占いや風水、自己啓発セミナーといったオカルトめいた団体も巷にあふれており、タレントを管理する芸能プロにとっては頭の痛い問題になっている。

「所属タレントといっても、基本的にプライベートを完璧に把握することは難しい。まして何を信仰しているかなどは、聞いたところで正直に言うとは限らないし、親族などの葬儀に行って初めてわかることも。その一方で、芸能人の持つ高い知名度は、時として宗教団体の広告塔に使われてしまう危険がある。ちゃんとしたところならいいのですが、新興宗教の中には、意識的に芸能人信者を増やしてきたところもありますし、もし問題のある団体であれば、たとえ実質的な宣伝活動をしていなくても、広告塔として責任を問われかねない」(大手芸能プロ幹部)

 芸能プロの中には、所属契約の前に自宅訪問や近所の聞き込みをして祭壇やポスターの有無などをチェックするところもあるそうだが、ほとんどの芸能プロは、「宗教だけはわからない」というのが実情だ。

「それどころか芸能プロの社員が信者ということもあって、以前、ある大手芸能プロでは新人担当セクションの社員がタレントを新興宗教の集会に連れ回したことがバレてクビになっている」(同)

 幹部が厳格な信者だと、さらに事態は深刻だ。

「巨乳系タレントで名を馳せたかつてのYには、熱心な学会員の幹部がいた。そのせいか、一時期学会系機関誌からの取材依頼が激増、現場としては“色”が付くのを嫌がって、断っていたんだけど、どこから聞きつけたのか、当の幹部が飛んできて『なんでこんないい仕事を断るんだ』と大騒ぎして、現場が辟易したなんて事件もあった」(同前)

 また、宗教とは直接関係ないが、今年2月に発覚したオセロ・中島知子の「洗脳騒動」も記憶に新しいところだろう。中島と問題の占い師との関係は数年前から始まっていたのだが、事務所が関係を把握した時点では、すでにコントロールできないほど洗脳が進行していたという。

「中島は安定して仕事もあったため、プライベートはもちろん、ある程度までは仕事の選択も本人の判断に任せていたのですが、そうした状況が発見を遅らせてしまったようです」(女性誌記者)

 この問題が発覚したきっかけはマンションの家賃滞納だが、実はこのように「社会や周囲に迷惑をかけているか否か」が、事務所がタレントの信仰に干渉するかどうかのボーダーラインになるという。

「仮に信仰がわかったとしても信教の自由というタテマエがある以上、やめるように強くは言えません。ただし、今回のような金銭問題や、強引な勧誘といった行為で仕事に支障が出るとなれば話は別です」(同)

 ちなみに家賃を滞納された家主一家の代表として見事なマスコミ対応をしてみせた樹木希林が「希心会」という宗教に帰依していたことも奇妙な取り合わせだったといえるが、いずれにせよ、この騒動では、中島が所属する松竹芸能の対応も話題になった。

「ここまでコントロールが利かなくなってしまった場合、ほかの芸能プロだったら解雇してしまいますけど、松竹さんは粘り強くフォローしていましたね。親族が占い師の元から中島を奪還する際に協力して脱洗脳の道筋をつけただけでなく、中島が滞納していた家賃を立て替えて法的問題も処理。現在も復帰まで視野に入れた全面バックアップを公言しています。復帰後の皮算用もあるとはいえ、なかなかここまではできませんよ」(スポーツ紙記者)

 中島の場合、迷惑をかけた相手への支払いや謝罪など問題が解決したこともあって、最悪の事態は免れたわけだが、宗教がらみのトラブルは、一歩間違えば芸能生命の危機に直結しかねない。

 代表的な事例が、1992年、桜田淳子、山崎浩子、飯星景子といったタレントが相次いで信仰を告白し、世間を騒然とさせた世界基督教統一神霊協会(以下、統一教会)の問題だろう。

 当時の統一教会は、教祖・文鮮明が決めた見知らぬ信者同士を結婚させる合同結婚式のように、およそ世間の常識とはかけ離れた教義に加え、高額な壺を売りつけるなどの霊感商法も社会問題化し、桜田をはじめとする有名人信者は、まさにその広告塔として使われていた。中でも姉の影響で19歳の頃から入信していたという桜田は、すべての仕事を降板して山崎と共に合同結婚式に参加。後に山崎と飯星は親族の説得で脱会しているが、桜田は20年たった現在も信仰を続けており、芸能界復帰も暗礁に乗り上げたままだ。

「当時、桜田が所属していたサンミュージックも信仰に関しては何も知らなかったようで、必死に説得に当たったが、桜田は頑として聞き入れなかった。相澤秀禎社長(当時)は、説得するためわざわざ『教会の講義を一度聞いてみたい』と桜田に頼み、紹介された関係者から壷まで購入して、桜田の気持ちを理解しようとしたそうですが、それでも説得することはできなかった。桜田は数年前から芸能界復帰を模索していて、相澤会長をはじめ、知り合いのテレビ関係者などに『女優をやりたい』と相談していますけど、脱会していない以上、宗教色が強すぎて難しい」(同)

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