サイゾーpremium  > 特集2  > 【元プロ選手・愛甲猛】「もう長嶋さん復帰しかない」

──横浜高校甲子園優勝投手からドラフト1位でロッテ入り、プロ生活晩年の中日でも代打の切り札として活躍した愛甲猛。そして今や、球界随一のぶっちゃけキャラとなった彼が知る、巨人の本当の強さとは――。

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(写真/田中まこと)

 今回の原さんのスキャンダルだけど、ぶっちゃけ選手にはそこまでの影響はないだろうね。チームの雰囲気はよくないかもしれないけど、選手が興味あるのは自分の成績がいいか悪いかだけ。これがほかの選手のスキャンダルだと、実はすごく喜んでいる選手もいたり、ライバルのネタだったら内心はガッツポーズっていうこともある。でも今回は監督のスキャンダルだからねぇ。

 ただ、気になることはたくさんある。まずは支払った1億円っていう金額。これ最初は、請求額5億円だったって話だよ。普通に考えて、取り立てる側も「浮気が発覚するのが嫌だろうから」ってだけで5億円も請求しないでしょ。女の日記に何が書いてあるかが問題で、現職コーチ陣の実名も載ってるらしいけど、それ以上に5億円も請求できる「何か」があったってことだ。だから原さんも焦って2日であんな大金を用意しちゃうわけ。野球協約に抵触しちゃうから、必死で「相手は反社会勢力ではなかった」と言っているけど、そんなはずないでしょ。一般人からそんな金額ゆすられそうになったら、誰でもすぐに警察行くよ(笑)。

 もうひとつは、なんで18年も経ってから今回みたいなことが起こるのかってこと。刑事事件なら時効成立するほどの期間でしょ? その空白の時間が見えてこないんだけど、俺が思うに、これが巨人なのかな、って。18年間も表沙汰にさせなかったってのが、大メディアを持つ巨人の力なんじゃないか。原さんが直後に出した「清武さんへ」なんてコメントも、読売からの指示なんだろう。最近謀反を起こした清武=悪って構図を作っているけど、そもそも原さんが女に手を出さなきゃ済んだ話。あんまり責任転嫁ばかりしてると、選手からも呆れられちゃうよ。

 一時期話題になった高橋由伸や上原浩治、阿部慎之助たちの契約金の標準額問題にしても、野球協約には抵触しないと突っぱねたけど、そもそも入団時に親会社のメディアで嘘の金額を報道していたわけだ。そこを謝罪しないのもおかしいし、ほかのメディアも金額の話ばかりで、嘘報道への批判がないのは正直疑問だよ。

 今は話題が落ち着いてるけど、原さんの件はこれだけでは終わらないだろうね。原さんの後援会の人が言ってたらしいことだけど、万が一、事の真相が全部表に出たら、原さんも巨人もかなりヤバいって話。野球賭博が絡んでるって噂もあるくらいだから、本当なら相当根深いだろう。何がいけなかったのかと言えば、ウラの話を球団交えたオモテで解決しようとしたこと。ウラはウラで処理しないと、絶対失敗するもんだ。仮にウラで解決するなら、その筋のトップの人に話がいくわけ。今ヤクザでトップクラスの人は「巨人・大鵬・卵焼き」で育った世代だから、純粋に野球が好きなんだよ。すると「野球選手ゆすろうなんてとんでもない」ってことになる。今回直接接触した2人が怒られるくらいだ。せいぜい彼らの顔も立てて、金額は今の3分の1くらいで済んだと思うよ。それをオモテで処理するから、どっかから話が漏れる。原さんが女とヤッちゃったのはしょうがないとしても、処理のずさんさが「なんだかおぼっちゃまだな」と思っちゃうよな。

金と女に困らない巨人選手その分球団のお達しは厳しい

 お金も誘惑も多いのが巨人。1軍のレギュラーだと、試合ごとの収入やサイン会、テレビ出演とかの副収入だけで暮らせるくらいになる。サイン会なんて、俺がロッテ時代に一番いい時でギャラが30万円だったんだけど、巨人なら2軍選手の価格らしいからね(笑)。年俸も他球団より高いし、契約更改での発表を実収入が上回るのも巨人くらい。金も人気もあるから、もちろん女にも苦労しない。キャバクラなんか行っても、払う額以上のサービスがあったみたいだよ。だからこそ球団から「外で派手に遊ぶな」ってお達しが出てるくらい。遊ぶなら女を自分のホテルに呼べってことなんだけど、裏を返せば、それだけ巨人選手が泊まってるホテルのセキュリティは厳しいんだ。ただ最近では玄人相手に遊ぶ選手は減ってて、飲む場所も銀座から六本木や麻布あたりに移ってきてる。モデルや芸能人と、よく合コンやってるって話も聞くね。

 キャリアを重ねて巨人のOBや先輩から話を聞いてると、一度は巨人のユニフォームを着たいって気持ちになるのもわかる。選手はやっぱり成績に見合った年俸が欲しい生き物で、これは切実なことなんだ。同じ3割打者なのに、あっちは1億円でこっちは8000万円だったら、「なんでだよ」ってなるのが普通だろう。その意味では、適切に成績を評価して金を出すナベツネさんを嫌いな選手って、そんなに多くないんじゃないかな。

 それより、現場にいたこともないのに、あーだこーだ言ってくる清武のほうが嫌われてたね。大阪桐蔭の辻内(崇伸/05年ドラフト1位)なんて清武が強引に獲得したのに、いざ活躍できないと「トレードに出して他球団で活躍されたら恥だから、潰してくれ」なんて言ったらしい。今回の件も、あの人のケツ持ちの朝日新聞から「週刊文春」(文藝春秋)に流れたって話だし、まだ爆弾をいくつか持ってるんじゃないかと俺は思ってるよ。

 この問題は、正直どう決着がつくかまだわからない。今はチームの成績がいいからマスコミもそこまで叩かないけど、後半戦でケガ人が出て調子を落とすのがいつもの巨人だから、そのタイミングで何か新しい動きが起こるかもしれない。原さんらしい引き際を作ってほしいと思うね。今年優勝して自ら身を引くっていう、一番かっこいい勇退の道を選んでほしい。すると後釜は誰かって話になるけど、俺が期待してるのは、ナベツネさん最後のサプライズ人事で、長嶋さんの復帰。なんでも脳梗塞のリハビリで毎朝6キロ歩いてるらしいんだけど、それ、リハビリ超えてトレーニングの領域だから(笑)。こんなゴタゴタを払拭できるのって長嶋さんしかいないし、この高齢化社会、視聴率だってグンと回復すると思う。野球ファンなら誰でも期待しちゃう、夢のある人事だと思うんだけどな。

(構成/武田俊 KAI-YOU)

愛甲 猛(あいこう・たけし)
1962年、神奈川県生まれ。横浜高校のエースとして80年夏の甲子園で優勝を果たし、ドラフト1位でロッテへ。84年から野手に転向し、打者として活躍。96年中日移籍、00年引退。著書『球界の野良犬』『球界のぶっちゃけ話』(共に宝島社)は、球界の裏側を垣間見れる名著。

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