サイゾーpremium  > 特集  > 企業裏事情  > "優等生"社員が作る【上司ウケ】技術の弊害

――米アップルの躍進、韓国サムスン電子をはじめとする東アジアの新興メーカーの猛追に加え、多くのメディアでソニー凋落の要因のひとつとして語られるのは、製品開発を支える「技術力の低下」だ。エンジニアの流出、生産施設の海外移転、情報管理の甘さなどから、「後進の企業に技術力を奪われた」と見る向きも多い。

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『さよなら!僕らのソニー』(文春新書)

 かつて世界を席巻したソニーの技術力は、本当に失われてしまったのだろうか?「ソニーの技術力は、いまだ世界最高水準」と断言するのは、国内外のメーカー事情に詳しいジャーナリストの井元康一郎氏だ。

 井元氏によると、「先端技術の研究開発において、大企業ではソニーが世界でぶっちぎりのトップランナー」。例えば現在、世界的に開発競争が加熱しているリチウムイオン電池では、1991年に旭化成と共に実用化して以来、現在も大学の研究機関が期待して待つほど、ソニーの研究開発力はパワフルだという。

「ニッケル水素電池が先進的だと言われていた98年、日産が発売した電気自動車『ルネッサEV』には、すでにソニー製のリチウムイオン電池が搭載されていました。技術レベルでは後続を引き離しており、現在は鉄系材料を用いた安価な電池『オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池』を展開、今後の研究開発にも注目が集まっています。また、デジタルカメラの半導体も世界シェアの6割を占めているし、ソニーの映像部門がどんな技術を出してくるかで、ハリウッドの制作体制が変わってくるような状況。ソニーが今も世界を牽引している分野は、枚挙にいとまがない」

 ソニーは11年、コンシューマー向けで世界初となる「4K×2K」画質のプロジェクター「VPL-VW1000ES」を発売。高画質のデジタルシネマでも業界をリードしており、映画館を「フィルムを観る」ものから、デジタル映像で音楽ライブやスポーツの試合も楽しめるものに変化させようとしている。画質の追求は「消費者のニーズと合致していない」との批判もあるが、技術革新による新たなビジネスの芽はあるようだ。

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