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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第57回

スマートグリッドが実現しない日本型民主主義の悪しき慣習【中編】

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【前編はこちら】

スマートグリッドはなぜ日本で浸透しない?

神保 ここからは世界に目を向けて、スマートグリッドの普及状況を見ていきたいと思います。アメリカやヨーロッパではスマートグリッドが日本より普及しているものの、まったく違う位置づけになっているそうですね。

高橋 アメリカでは、そもそも送電網自体の設備投資が遅れています。アメリカは人口が増加しており、需要が増えているのに供給力が追いつかないという状況です。そのため、消費者の側で電力消費をコントロールしてもらおう、という発想になっている。大規模な投資をして新たな発電所を造るよりも、メーターを置き換えて、需要者にインセンティブを与えたほうが設備投資も少なくて済むのではないかと考えているのです。オバマ大統領のグリーン・ニューディール政策も絡み、09年から、スマートメーターの設置がかなり進んでいます。政府は電力会社にタックス・インセンティブや補助金を出しており、これには景気刺激策という側面もあります。

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