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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第10回──【COMIC編】

『仁-JIN-』の最終巻は技巧の光る大団円か? それとも白々しい幕引きか?

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──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2011年4月号 COMICクロスレビュー

■『幕張』作者のアルティメット格闘モノ

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『喧嘩商売』(24巻)
作/木多康昭
掲載/「週刊ヤングマガジン」(講談社)
価格/560円 発行日/2月4日
古武術を学び、喧嘩に明け暮れる高校生・佐藤十兵衛と、彼のライバルや師匠ら周囲の人間各々の戦いと事情を、『幕張』『泣くようぐいす』同様、作者お得意の毒の強いギャグを交えつつ描く格闘マンガ。ヴァーリトゥーダー・田島が、自らの最強を証明するために仕掛けたトーナメントへ参加する面々たちの背景を描き切った今巻で第一部が完結。


【批評家・宇野評】
★★★★★★☆☆☆☆
「何でもアリ」の快楽を、もっと!
テーマであるルール無用の「喧嘩」とは「面白ければなんでもよい」という思想に貫かれており、これはギャグ作家・木多の思想そのものでもある。作者の中では、過去作と本作はそれほど離れていないはず。問題はむしろギャグの洗練に比して登場人物の過去話がすべて似通っているなど、エピソード処理の甘さだろう。20巻以上かけてあのぎこちない絵で独特の質感を構築しつつあるのは評価できる。「なんでもアリ」の快楽をもっとアクションにも生かせれば。

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