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第2特集
PBってホントにいい商売ですか?【2】

小売業バイヤー・藤野香織氏に聞く! 「名前よりも安さで選ぶ消費者のPB信仰」

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──大手メーカーが製造していることも公然の事実として浸透し、積極的に選ばれるようになったPB商品。デフレに後押しされ、PBがここまで拡大したのは、"安さ"が消費者の支持を得たからだけなのだろうか? 流通業界に詳しい藤野香織氏に、PBの現状と展望を聞いた。

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 PBの開発は、たとえばセブン&アイがある食品メーカーに「カップヌードルに似た商品を安くつくりたい」と依頼します。そのメーカーは、セブン&アイのバイヤーと相談しながら自社商品の原材料を減らしたり、パッケージデザインを簡素化したりとマイナーチェンジをしつつ、それにそっくりの商品をつくる。そして、店頭ではセブンプレミアムの名でカップヌードルより安い価格で販売する。ここでいうNBがカップヌードル、PBがセブンプレミアムということになります。

 一般に、百貨店をはじめ小売店では返品を条件に取引する商習慣があり、売れた分だけを仕入れ計上し、販売期間が終わると残った商品を送り返す「消化仕入れ」が常識。しかし、セブンプレミアムの名がついたPBなら、その商品はセブン&アイグループでしか売れないため、返品できません。なにより、ギリギリのコストで卸した商品を返品されたらメーカーは大赤字。よって、PBは全量買い取りが大原則となります。

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