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孤高の黒人ヒーローが再び凱旋帰還!

日本アニメ初のエミー賞受賞『アフロサムライ』が日本でも炸裂

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(撮影/有高唯之)

 2年前に公開されたアニメ映画『アフロサムライ』を、覚えているだろうか。アーティスト・岡崎能士の自主制作マンガをもとに日米合作で制作され、全米で大ヒットを収めた後、日本で凱旋上映された作品だ。「アフロ」と呼ばれるアフロヘアーの黒人(そのまんまだが)の侍が、父の仇討ちを志して最強の剣客を目指す物語で、BGMはヒップホップ、時代劇なのにアンドロイドも登場するブッ飛び系。それでいて、描き出される世界観や完成度はハードでクールな作品だった。

 そして今冬、同作の続編『アフロサムライ:レザレクション』が日本に再び上陸する。本作は、今年1月より全米でテレビシリーズとして放映され、日本アニメ初のエミー賞受賞という快挙も達成した。

「もともと『アフロサムライ』は、仲間と自費出版で出した本に描いたマンガ。"アメリカ人が考える間違った日本観"を描きたくて」

 そう語るのは原作者の岡崎さん。面白半分で描いたものが、ここまで大きくなるとは驚きだったそう。

「狙ったわけじゃないけど、アメリカ人のツボにはまったようです。でも、前作は日本ではあまり評価されなくて……(苦笑)」

 斬新すぎる世界観が、日本にはまだ早すぎた!? とはいえ、もとは趣味で描いた作品。自分の好きな世界が映像化されるだけで満足だったという。

「ただ、いくらヒットしても、文化や民族の違いからアメリカ人には伝わらない部分もあります。前作でアフロは多くの人を殺したので、本作の冒頭では供養のために仏像を彫っているんですが、『なぜ彼はフィギュアを作っているの?』と言われたり。実は、実写化の話もあるんですが、シナリオを読んだらアフロがフィギュア(=仏像!)を遊園地で売って生活してたりして、あわてて修正を伝えました」

 と、笑えるようで笑えないエピソードも。文化的理解ができるはずの日本人こそ、劇場で観ておくべきでござ候……。
(乾 千乃)

おかざき・たかし
1974年、神奈川県生まれ。イラストをメインに、マンガやオブジェ製作などさまざまな分野で活躍。これまでに、映画『スペーストラベラーズ』キャラクター原案、『サマーウォーズ』キャラクターデザインなどを手がける。今年12月にはコミック版『アフロサムライ』も発売決定。

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『アフロサムライ:レザレクション』
前作で、父を殺した敵に復讐を果たし、最強の証しである「一番」のハチマキを手に入れたアフロ。数年後、死んだはずの兄弟子・仁之助と謎の女シヲが、ハチマキを奪いにきて……。原作/岡崎能士 監督/木﨑文智 配給/トルネード・フィルム 製作/GONZO 声/サミュエル・L・ジャクソン、ルーシー・リューほか 公開予定/12月よりシネマライズほか全国順次公開 公式HP


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