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R-18指定で大臣に直談判!

フランス人卒倒の問題作「マーターズ」に注目

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日本に来るのは初めてというロジェ監督(撮影/有高唯之)

「どん底の精神状態で、悲嘆に暮れていました」

 パスカル・ロジェ監督が脚本を書き始めたとき、個人的に嫌なことがあったのに加え、テレビから流れてくるのは乱暴で悲惨なニュースばかり。こんな世の中、もう終わりだよ……という絶望の中で『マーターズ』は作られた。本作の常軌を逸する恐怖と苦しみは、「監督、本当にもう立ち直ったんですか?」と心配したくなるほど凄まじい。

 長年、監禁・虐待された末に自力で逃げ出した少女が15年後、被虐者たちへ復讐を試みるが、そこで世にも恐ろしいものを発見する。少女が監禁された理由は明かされないまま、物語が進む不気味さ。挙げ句の果てに、見てはいけないものを見てしまったという居心地の悪さに襲われる作品だ。

「最近のホラー映画は、ただ怖がらせて終わってしまうような作品が多いですが、ホラーの歴史をたどると、メッセージ性の強さは外せません」

 しかしこれ、あまりにショッキングなメッセージ性ゆえに、本国フランスでは公開が危ぶまれ、監督自らが文化大臣に直談判したといういわくつき。

「当初指定のR-18は、実質的にポルノ映画と同じ扱いで、公開できないに等しい。表現の自由の侵害とする論争も起き、結局R-16に落ち着きました」

 まさに前代未聞のホラー映画なのだが、意外なことに監督はさほどホラーに固執していないという。

「この映画も、うまくいかないメロドラマとして、苦しみを表現するのが目的でした。でも出来上がると、僕の作品は結局いつもホラーになっているんです」

 今回初めて来日した監督だが、日本のホラー映画は年代を問わず大好きだとか。

「日本はサドマゾ的なものや、残酷な物語を美しく作る歴史がある。この作品を一番わかってくれるのは、日本の人だと僕は思っています」

 フランスでは気絶する観客もいたという本作。さて、監督の期待通り、日本人はこの痛みと恐怖に耐えられるか!?
(兵藤育子)

パスカル・ロジェ
コートダジュール生まれ。パリの映画学校を卒業後、イタリアン・ポルノの撮影現場などで働き、『Saint Ange』で長編デビュー。本作の成功によりハリウッドからオファーが殺到! 既に3本が決まっている。

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映画『マーターズ』
行方不明になった少女・リュシーが、路上をさまよっているのを発見される。それから15年後のある日、ごく普通の家庭で呼び鈴が鳴る。それは惨劇の始まりだった……。監督/パスカル・ロジェ 出演/モルジャーナ・アラウィ、ミレーヌ・ジャンパノイほか 配給/キングレコード+iae 公開/8月29日より、シアターN渋谷にてレイトショーほか全国順次 公式サイト


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