サイゾーpremium  > 特集  > プリウス&インサイト クルマ雑誌じゃ書け...
第1特集
9勝1敗でプリウス圧勝!! 雑誌が下したトヨタvsホンダ【2】

プリウス&インサイト クルマ雑誌じゃ書けない本音の"辛口"試乗レビュー

+お気に入りに追加

 グレードは違えど、ハイブリッドカーという側面から、同種に見なされがちな両車。だが、そもそもプリウスとインサイトは同じハイブリッドカーでありながら、まったくの"別モノ"ということを意識しなくてはならない。

 まず駆動部を比べると、プリウスは走行状況に合わせてエンジンとモーターに切り替わる「フルハイブリッド方式」を採用。一方、インサイトが採用している「マイルドハイブリッド方式」は、エンジンをモーターがアシストするというシンプルな構造だ。これによりインサイトは、プリウスに比べ小型で低コスト化を実現しており、また、一定時間の停止時にアイドリングがストップする機能が追加されている。

 このアイドリングストップの際に、プリウスのモーター走行時と同じような静かな感覚を思わせるギミックがあり、乗り比べたドライバーにはあたかも"同種のハイブリッドカー"であることを感じさせているのだろう。

 さて、プリウスは、3代目となりエンジンも従来の1・5リットルから1・8リットルへとスケールアップしたことで、これまで指摘されてきたパワー不足を解消したかのようにも見える。インサイトは、1・3リットルという小型エンジンをトルクフルにするためモーターがアシストすることで、1.8リットル車並みの性能を得ている。これだけ聞くと「通常のガソリン車と変わらない」と思うかもしれない。しかし、両車へ買い替えるまでのユーザーのクルマ遍歴によって、これらは簡単に覆されてしまう。

軽自動車やリッターカー(1〜1・5リットルまでのコンパクトカー)からの乗り換えならば、両車のメリットは最大限に感じ取れる。走り心地もコンパクトカーと同等、もしくはワンクラス上を実感できるはず。だが、最近の標準といわれる2〜3リットルクラスのエンジンを搭載するクルマから乗り換えた場合、その印象は"パワー不足"だと逆転してしまうのだ。また、室内は広いとうたわれているが、実はそれほどでもない。特にリアシートの座り心地たるや、両車ともお粗末な印象は否めない。これは、運転席のみに座る試乗だけではわからないポイントだ。さらに、実際に街中を走らせてみると、ストレスのない加速感や50km/h台の中低速時での"ゆとり"を実感することは難しい。もちろん両車とも、ガンガンにアクセルを踏んで走れば、キビキビとした走りを実現できるのかもしれないが、それでは低燃費・エコという両車のコンセプトに相反してしまう。

 エコドライブに関しては、プリウスの場合、ダッシュボードの中央に置かれたメーター類とナビ画面によって、それをサポートしてくれる。一方、インサイトでは、走行時にはメーター類が収まるフード上部にあるスピードメーターの電装色がグリーンだと"燃費が悪い状態"、反対にブルーだと"燃費が良い状態"を表現している。またその下に位置する円形のタコメーター(エンジン回転計)の中央にあるモニターにECOガイドという液晶画面があり、走行中、この2つをチェックすることで"エコドライブ=燃費がいい"走行状態がわかるようになっている。こうしたエコドライブを表面的にサポートする電気制御のインターフェイスは、インサイト独自のもので、他の車種にはない。

 こうして実際試乗してみると、"エコドライブ"という概念は"燃費を意識する走り方"への強制となり、ドライバーのストレスに変わることも考えられる。渋滞や信号の多さなど、決して良好とは言えない日本のドライブ環境に、エコロジスト気取りで燃費を気にしながら走るというのは、いささか難しくもあるだろう。

 もちろん、モータースポーツのような走り方をするわけではないが、ファン・トゥ・ドライブ、つまり運転することの愉しさが半減、もしくは人によってはなくなってしまうのも事実なのだ。


Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年12月号