評論家・大塚英志に聞く “小泉八雲”の実像と虚像

(写真/黒坂ひな)

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のモデルとなったことで、にわかに注目を集める小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。「怪談」や「日本の心」を愛した作家─そんなパブリックイメージをまとう八雲だが、その実像とは? 漫画『八雲百怪』や評論『八雲と屍体』など、自身の作品で小泉八雲を重要なモチーフとして扱ってきた批評家・漫画原作者の大塚英志に話を聞いた。

今年9月より放送中のNHK「連続テレビ小説」(通称、朝ドラ)第113作『ばけばけ』。本作は明治維新の日本を舞台に、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・セツをモデルとした物語を描き、好評を博している。1896(明治29)年に日本に帰化し、明治期の作家として知られる八雲は、日本に伝わる幽霊話などを集めた『怪談』や、出雲や松江での逸話を記した随筆『知られぬ日本の面影』などを書き残している。

そんな八雲を題材にした作品を数多く発表しているのが、評論家・漫画原作者の大塚英志だ。明治から昭和にかけて活躍した民俗学者の柳田國男に折口信夫、八雲らを描いた漫画シリーズ「偽史三部作」の三作目『八雲百怪』をはじめ、『「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男』、八雲の小説をモチーフにした小説『くもはち』(いずれもKADOKAWA)のほか、今年8月には評論『八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ』(太田出版)を上梓。

大塚氏が8月に上梓した『八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ』(太田出版)。今では偽書とされる八雲の手紙から浮かび上がる人物像に始まり、語り部との関係、戦時体制下で作品が政治的に読まれていくまでをつまびらかにしていく。

自身のキャリアの中で八雲と向き合い続けてきた同氏に、その実像を問うと──。

──まず、大塚さんは朝ドラ『ばけばけ』をご覧になっていますか?

大塚英志(以下、大塚) 見ていません。朝ドラを見るという習慣がないんですよ。『ばけばけ』については、周りから話を聞く程度です。

──そうですか……。大塚さんはこれまでも小泉八雲をテーマにした作品をいくつも発表されていますが、八雲に注目した理由はなんでしょう?

今すぐ会員登録はこちらから

人気記事ランキング

2026.1.1 UP DATE

無料記事

もっと読む