>   >   > 【スパイ映画】の敵役と国際情勢
第1特集
冷戦の終結がスパイ映画を変えた?

“戦う相手”は時代をいかに反映してきたか?――ジェームズ・ボンドの敵は誰だ!?スパイ映画の敵役と国際情勢

+お気に入りに追加

数ある映画ジャンルの中でも、“スパイモノ”には根強いファンが多い。並外れた体力と叡智を誇り、ときに美女と深い仲になり、無理難題を解決するというのが同ジャンルのイメージだろう。だが、一体主人公は、誰と戦っているのだろうか? 世界的なヒットを記録した3つのシリーズから、“スパイ映画の敵役”の変遷を、国際情勢と共に見ていきたい。

1712_007_200.jpg
『007 逆襲のトリガー』(KADOKAWA)

 各国の諜報機関の密命を帯びたエージェントが、腕時計や眼鏡に仕込んだ特殊なスパイ道具を駆使しながら、世界を股にかけて悪の組織と対決する。数ある映画の中でも、スパイ映画は幅広い人気を得ているジャンルだろう。特に50年以上の歴史がある『007』シリーズや、トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル』シリーズを見た人は多いはずだ。だが、こうした作品を思い返してもみても、ディテールやアクションシーンは覚えているものの、敵が何者で、何を目的としていたか、よく思い出せないという人はいないだろうか? なぜ、最近のスパイ映画の敵役はわかりにくいのだろうか? 映画ライターの福本ジロー氏は、こう述べる。

「最近のスパイ映画は『007』も含めて、映画の後半まで“敵”が何者かわからないことが大半です。主人公は真の敵にたどり着くまでに、さまざまな偽装と謎を解きつつ悪役と対峙しなければなりません。映画を作る側としては、観客を飽きさせない展開が求められるため、最終的に誰を倒せばいいのかよくわからないまま強引に話を進める。結局見終わった後、カタルシスは覚えていてもどんな内容だったかよく思い出せない、という作品も多々あるわけです」

 そうはいいながら、各スパイ映画の敵役のキャラをかなり記憶していた福本氏には、随分ご教示頂いたのだが、それでは人気スパイ映画の敵は何者だったか。ここから先は『007』『ミッション:インポッシブル』『ジェイソン・ボーン』シリーズを中心に、解説していきたいが、公開から年月の経った作品が多いとはいえ、ある意味ネタバレでもあることも、ここで明記しておきたい。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年5月号

ウェブ(禁)新論

ウェブ(禁)新論

マンガで学ぶ「(裏)社会学」

マンガで学ぶ「(裏)社会学」
    • 【実際のヤクザ】に聞いた下半身事情
    • 【ヲタめし】ハロプロヲタのライブ後

華村あすか、19歳のプライベートセクシー

華村あすか、19歳のプライベートセクシー
    • 【華村あすか】クダモノとカラミます。

インタビュー

連載

    • 【アンジェラ芽衣】けっこう根暗なんです。
    • 【宮下かな子】森田童子にゾクゾク
    • 【冨手麻妙】映画界に愛された女優の身体
    • 密かに好成績を残した剣の貴公子
    • 【由美子】の夢は夜ひらく
    • 行政法研究者が語る日本の行方
    • 高須基仁の「全摘」
    • 【品川ヒロシ】が夜通し語る映画愛
    • 継続危機と対峙する【秋田の伝統祭】
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【XXX Tentacion】SNS厄介者たちの続く伝説
    • 【元スパイ襲撃被害】スパイによる本当の諜報活動
    • ナチスの【優生学】が投げかけるもの
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」/『サバービコン』
    • 実話を元に描かれた【映画でわかる】社会の病巣
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/森友ふたたび
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 女はなぜ皆【星野源】を欲するのか?
    • 俺と伝説のラッパーたちとの交遊録
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、文化系連合赤軍な雑誌の終焉。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』