>   >   > 【Supreme×ヴィトン】コラボの裏側

 今年に入って世界中を巻き込んだ社会現象となっているのが、ストリートブランドの「Supreme」と、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のコラボレーションアイテムだ。ストリートと高級ブランドの、珍妙とさえ思えるこのコラボの裏側には、売り上げ低迷にあえぐファッション業界の思惑が交錯し、互いの利権の取り合いを画策しているようだ。唯一無二のSupremeブランドと伴に、激変するファッション業界の今を考察してみよう。

1711_IMG_0063_520.jpg

 今年7月、表参道には連日にわたって大行列が続いていた。原宿駅を越え、代々木公園の陸上競技場方面まで延びたその行列の向かう先にあったのは、青山にオープンしたルイ・ヴィトン(以下、LV)×Supremeのポップアップショップだった。

 世界中のファッション関係者を驚愕させたこのコラボレーションは、売り上げ的にも近年稀に見る大成功となり、マドンナやジャスティン・ビーバー、レディ・ガガといったセレブたちがそのアイテムを身にまとった。日本でも、HKT48の指原莉乃、EXILEのAKIRA、三代目J Soul Brothersの岩田剛典や今市隆二、登坂広臣といった芸能人たちが着こなしたばかりでなく、AV女優の明日花キララやYouTuberのHIKAKINまでをも虜に。当初、7月13日までの販売を予定していたが、在庫が底をつき、6日早く店じまいという盛況ぶりだった。

 いったいなぜ、世界のトップに君臨するラグジュアリーブランドが、スケートボードカルチャーから発信された一介のストリート系アパレルであるSupremeと手を組んだのだろうか?

Supremeは転売する!?

1711_AKBIMG_2399_230.jpg
「さしこのくせに」と言われていたさっしーも、今や、アイドル界のファッショニスタ?おしゃんですね~。ツイッターには、バッグを持ってる画像も。

 そもそも、読者貴兄はSupremeなるブランドをご存じだろうか?

 94年、Supremeはジェームス・ジェビアによってニューヨークの、アーティスト街であるソーホーとイタリア移民街であるリトルイタリーのちょうど間にあるラファイエット通りで産声をあげた。もともと、スケーターのためのセレクトショップとして出発した同店は、オリジナルTシャツの販売によってその名を広め、ケイト・モスをモデルに起用したカルバン・クラインの広告にSupremeのステッカーを勝手に貼りつけるという掟破りのプロモーション展開などで勢力を拡大。日本でも、97年頃から、裏原宿にあった「technique」というショップなどが取り扱いを始め、98年に日本1号となる代官山店が開店すると、毎週末大行列が発生する事態に。折しも、当時一般化しつつあった「裏原系」ブームによってNIGOや藤原ヒロシ、ヘクティックディレクターであったYOPPIこと江川芳文らがストリートファッションを牽引していた時代。彼らがロゴ入りのウェアやキャップを被ることでSupremeは日本でもおなじみのブランドとなっていった。

 しかし、裏原系ブランドの大衆化や、ファストファッションの台頭といった状況の変化によって、00年代中盤から、裏原宿ブームは徐々に失速していく。94年から渋谷、原宿などのストリートファッションを観察し、記録写真を撮影してきた共立女子短期大学の渡辺明日香教授は「00年代中盤以降、Supremeのロゴが付いた洋服を着ている人をストリートで見ることはほとんどなくなった」と、その変化を語る。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年11月号

禁断の家電・ガジェット

禁断の家電・ガジェット
    • テック系企業の【経済地理額】
    • 次世代のテック系【注目都市】
    • 世界を席巻する【アジア家電】
    • 【D.O.I.×BERBAL】安室奈美恵論
    • 【アムロ】を支えたPの本音
    • 知られざる地方【テック企業】
    • 米国【大麻用電子たばこ】産業事情
    • 【星名美津紀】家電とエロス
    • 進化し続ける【アダルトVR】の今
    • 最新【バーチャルセックス】のしくみ
    • 【三代目JSB・山下健二郎】スニーカー愛
    • 【三代目Air Jordan Brothers】選出!
    • 【リバタリアン】生んだネットの終焉
    • 各国【ネット規制】の事件簿
    • 【ゲーム依存】はビョーキか否か?
    • 【モノ雑誌】の「読プレ」豪華番付
    • 【景品表示法】を弁護士はどう見るか

防弾少年団がアメリカを制する日

防弾少年団がアメリカを制する日
    • 今さら聞けない【BTS】基礎講座
    • 数字で見る【K-POP】世界進出
    • BTS支持層【アジア系アメリカ人】の連帯

NEWS SOURCE

    • 【キンプリ】K-POP化の浅はかな皮算用
    • 【吉澤逮捕】で変わるモー娘。
    • 【瀬古】の横暴に振り回されるマラソン界

インタビュー

    • 【坂ノ上茜】特撮もチアもこなすブラン娘
    • 【レイザーラモンRG】あるある芸人の技と内情
    • 【松村厚久】病を跳ね飛ばす実業家の野心

連載

    • 【忍野さら】友達の財布に私のトレカを入れるんです。
    • 【小林レイミ】デビュー4年目の初グラビア!
    • 振り返れば【芽衣】がいる
    • 【電力業界】に切り込んだ元フィンテック起業家
    • 【新潮45】を潰したのは誰だ!
    • 【阿波踊り】内紛の実情
    • 【中国】を支配する巨大顔認証システム
    • 【88ライジング】がアジアと米国を繋ぐ
    • 町山智浩/『ブラック・クランズマン』アメリカ・ファーストを謳うのは誰か
    • 政権の利益誘致政策に踊らされる【英語教育】の欺瞞
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/黒い水脈
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【おとぎ話みたい】文化系男子が患う恋愛の病
    • ギャング集団に所属するアパレル屋
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ビールの世界を超越し始めた【職人】
    • ひとりぼっちたちを繋ぐ【薔薇族】の誕生
    • 幽霊、雑誌の去勢と俗物主義の衰退。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』