>   >   > 河合幹雄の法痴国家ニッポン【58】/【金塊強盗多発】に見る「警備会社」の歴史
連載
河合幹雄の法痴国家ニッポン【58】

国家とヤクザ者が交錯する!金塊事件に見る、「警備会社」の歴史

+お気に入りに追加

法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

金塊強奪事件が多発

1708_01gokukaisetu_200.jpg

2017年4月、福岡市内で、貴金属店勤務の男性が、金塊の買いつけ資金として銀行から引き出した3億8400万円を強奪される事件が発生。 福岡県警は、福岡空港で多額の現金を持った韓国人の男らを確保したが、取り調べの結果、直接の関係はなしと判明した。ほかにも17年6月に東京都中央区で多額の金塊が盗まれるなど、金塊絡みの事件が多発している。


「2016年7月、福岡市で男性らが7億6000万円相当の金塊を盗まれる」「2017年4月、福岡市で男性が金塊の買いつけ資金3億8400万円を奪われる」「2017年4月、金塊密輸を目的に福岡空港から現金7億3500万円を国外に持ち出そうとした疑いで韓国人4人を逮捕」

 近年、福岡市を中心に多発している金塊絡みの事件。無税の外国で買った金塊を国内に密輸するといった非合法な目的があるならともかく、なぜその道のプロである警備会社に運搬と警備を頼まなかったのか、と思わずにいられないケースも散見されます。いろいろ事情はあるのでしょうが、ともかくも他者に任せられず、個人で運ばざるを得なかったということ。まさにその事実が、“貴重品を運搬・警備する”という、秘密裏に行ってこそ意味のある行為が内包するある種の胡散臭さと、そこにひとつの要因があるであろう警備会社という存在の近づきがたさを象徴している気がします。

 そこで今回は、金塊強奪事件と直接の関係はないものの、それによって図らずも一般からの距離があらわになった“警備”なる行為、もしくは“警備会社”とはそもそもいかなるものであるかを分析してみたい。それらの歴史をひもとくことによって、施設・雑踏の警備業務を主体とする現代の警備ビジネスが、実はこの半世紀間に成立したきわめて新しいものであり、むしろ日の当たらない仕事であり続けた貴重品運搬こそ、この巨大ビジネスの“原点”であることが明らかになるのです。

 まずは前提として、1972年に制定された警備業法において、警備会社の業務がどのように分類されているかを解説しておきましょう。同法では、さまざまな施設の巡回・保安を「第一号警備業務」、交通誘導・雑踏警備を「第二号警備業務」、貴重品運搬警備を「第三号警備業務」、いわゆるボディガードを「第四号警備業務」と規定しています。ここで対照的なのが、各業務に携わる警備業者の数です。一号と二号のサービスを提供しているのが、警備会社総数約9300社のうちの7000社近くに上るのに対し、三号と四号に関しては600~700社と10分の1程度にとどまっている。CMなどの影響もあり、警備会社と聞いて一般の人が真っ先に思い浮かべるのもおそらく一号と二号のほうでしょうが、実際のビジネス規模としてもそちらが圧倒的に大きくなっているわけです。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2017年9月号

日本のタブー2017

日本のタブー2017
    • 【ハクソー・リッジ】はなぜ炎上?
    • 【フリーメイスン】ビジネスの裏側
    • 【ネタ消費】されるフリーメイスン
    • 世間を洗脳する【PR会社】の実像
    • 有名事案で暗躍した【PR会社】の功績
    • 【世界遺産】乱立の真相
    • 【福岡・北九州】相克の近代100年史
    • 九州で蠢く【闇ビジネス】の実相
    • 【七社会と麻生グループ】の癒着
    • 【ナマモノBL】は本当にタブーなのか?
    • 【福山雅治】もハマったBL妄想
    • 【音楽業界】の歌詞"自主規制"問題
    • キスもNG?保険ありきの【MV】事情
    • 【ぱちんこ】出玉規制強化に見る警察の本音
    • 【ぱちんこ】は北朝鮮の資金源か!?
    • 急増する【仮想通貨】詐欺の最前線
    • 【仮想通貨】誕生の背景
    • 【優生学】の歴史的背景と真実
    • 日本国内外の【優生保護法】
    • 【うんこドリル】から考えるミソジニー
    • 【うんこドリル】に見る哲学的例文集

チラリと見える和モノ写真進化考

チラリと見える和モノ写真進化考
    • 園都「B90センチGカップを隠しながら」

早乙女ゆう、食品サンプルとカラむ

早乙女ゆう、食品サンプルとカラむ
    • 【18歳の現役JD女優】禁断のカラみ

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【小倉優香】運気上がってるんです。
    • 【早乙女ゆう】食品サンプルとカラむ!
    • 【萩原みのり】ゆずの「いつか」に涙する
    • プロで日本王座も獲ったボクシング選手
    • 俺が大丈夫って言えば【すず】はきっと大丈夫で
    • 日本の遅れた【IT】事情を改善する最後のチャンス
    • サブカルチャーの終焉を見た
    • 【田原総一朗】というジャンルが見せるトークの妙
    • 祭りと【フリースタイル】の相性
    • デイヴィッド・ヒュームの【人性論】を読む
    • 【モブ・ディープ】黄金期を支えた巨星墜つ
    • 世界はいま本当に【テロ】の時代か?
    • 謎の【スメリズム】は18世紀欧州の"気功法"!?
    • 『この世に私の居場所なんかない』義憤に燃える介護士の血みどろコメディ
    • 【ポスト安倍候補】が語る自民党の「これまで」と「これから」
    • 戦死者たちの肖像(上)
    • もやもや籠池劇場
    • 男にはマネできないこの回転!まわるバイブで未知の体験を
    • 【サプリ】「こじらせ女子」とは社会に立ち向かう女性たち
    • 「フェティポップ」とはなんぞや?
    • 【紀宮様の婚約会見】を振り返り、眞子様と小室さんの未来を占う
    • タブーすぎる野球裏話…幽霊、興行は清濁併せ呑む暇つぶし
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』