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連載
佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第48回

グーグルの”横串”があらわにした、日本が「ビッグデータビジネス」で負ける理由

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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2003.5.23 03年5月に成立した個人情報保護法だが、これに際して、多くの文化人や作家たちが反発。デモなども行われたのは記憶に新しい。

 日本は再び世界のIT市場で後れを取る──不吉な予言は、昨今話題の「ビッグデータビジネス」に端を発している。日本企業の躍進を阻むものは何か? グーグルのプライバシーポリシー変更から火がついた、“プライバシー”をめぐる問題を今再び考え直す。

 インターネットとプライバシーをめぐる問題が、最近また激化してきている。今春には、グーグルがユーザーのプライバシーをどう扱うかという基準(プライバシーポリシー)を変更し、騒動となった。メールやカレンダー、ドキュメント、地図など、グーグルが提供するさまざまなサービスをユーザーが利用する際、これまではサービスごとにユーザーのデータは管理されていて、相互に連携は行われていなかった。しかしポリシーの変更によって、「名寄せ」が行われることになった。名寄せというのは、さまざまなサービスで使われているアカウントを相互に紐付けし、どこの誰が何のサービスをどのように使っているのかをわかるようにするというものだ。

 この名寄せのメリットについて、米グーグル幹部はこう説明している。「(グーグル広告部門上級副社長の)ウォジッキ氏には3歳になる娘がおり、あるとき彼女が『中国語を習いたい』と言った。そこで、あらゆる友人に『最高の先生はいないか』と尋ねる電子メールを送った。複数の友人から回答を得て、ようやく1人の中国語教師の名前が挙がった。ここで同氏は、最初に『Gmail』で電子メールを送った際に、広告として表示されていた名前がまさにその人物だったことに気づいたのだという」(『グーグル広告部門幹部、「次なる狙いは検索と広告のパーソナライズ」と発言』COMPUTERWORLD 3月1日付)

 今はソーシャルグラフ(人間関係)を経由して、フェイスブックやツイッターなどで手作業で手に入れられる情報の流通に注目が集まっているけれども、将来的にはそうした情報も手作業ではなくアルゴリズム(コンピュータの計算手順)によって自動的に入手できるようになってくるかもしれない。徹底的な技術企業であるグーグルは、そうした未来をつくり出そうと考えており、そのためにはユーザーのさまざまな行動履歴を収集するのは必須ということだ。それらの行動履歴を横串につなぎ、解析すれば、いずれはユーザーの次の行動がかなりの高確率で予測できるようになると考えているのだ。これは最近流行になっている言葉で言えば、「ビッグデータビジネス」といわれるものだ。

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