サイゾーpremium  > 特集  > 厚労省・木村盛世が選ぶ「官僚の下劣さ」が...
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(写真=磯部昭子(A/M))

 官僚機構のタブーに切り込んだ本といえば、1993年に上梓された『お役所の掟──ぶっとび霞が関事情』【16】が先駆けでしょう。著者の宮本政於さんは、厚生省(当時)の現職課長という立場から、集団主義、いじめ体質など、お役人・お役所の内情を吐露しています。そして、残念ながら、その体質は今もまったく変わっていません。例えば、この本の出版後に省内で同僚に「宮本なんかと付き合うな」と圧力がかかったり、ご自身も島流し的な異動をさせられたり。私も厚生労働省の医系技官として同省の腐敗ぶりを告発し、まったく同じ仕打ちを受けています。もちろん、宮本さんや私を支持してくれる人もいるんですが、それを表に出してしまうと昇進に障る。小学生のいじめと一緒ですよ。一人ひとりはそんなに悪い人じゃなくても、「組織」になると、そこから飛び出る人間を潰しにかかる。「みんなと違うことはいけないこと」で、そんな「ムラ」社会の中でマスターベーションしてる、病んだ集団なんです。それを暴いた宮本さんは、95年に厚生省を無断欠勤などを理由に懲戒免職になり、99年に51歳の若さで亡くなられています。無念の死だったと思われますが、彼がいたからこそ、今の私があるといっても過言ではありません。

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