サイゾーpremium  > 連載  > 伊藤文學の薔薇族回顧譚【5】/【ゲイメディア史】群雄割拠時代の幕開け
連載
伊藤文學の薔薇族回顧譚【5】

【薔薇族回顧譚】ゲイメディア史、群雄割拠時代の幕開け

+お気に入りに追加

――日本初のゲイ雑誌「薔薇族」創刊編集長が見た、ゲイメディアの勃興とその足跡をたどる

1902_P113_img001_300.jpg
「薔薇族」以前のゲイ雑誌は、同人誌である「ADONIS」などに限られていた。「薔薇族」以後、商業ゲイ雑誌の文化が花開くこととなった。

「薔薇族」は、1971年の誕生以降、出会いや自己表現の場を求める男性同性愛者の強い支持を受け、多いときで3万部ほども発行されるようになった。この数字は今と違い、出版界に活気があった当時としてもそれなりのものである。

 この「薔薇族」の商業的成功は、70年代半ば以降、後続雑誌を多数生んだ。具体的に名前をあげれば、74年に「アドン」「さぶ」、78年に「The ken」(81年に「The Gay」に改称)、82年に「SAMSON」、86年に「豊満」、93年に「Badi」、95年に「G-men」などが登場している。

 現在、これらはほとんどが廃刊、あるいは休刊に至っているものの、80年代前半などは、複数のゲイ雑誌が同時に刊行されしのぎを削っていた。いうなれば、ゲイ雑誌の群雄割拠時代が訪れたのである。

 では、このような状況の到来を「薔薇族」編集長であった伊藤はどう見ていたのか?

「そりゃ、ライバル意識はあったね。『アドン』が出る前には、うちの編集部の間宮浩と一緒に『アドン』編集部の入っていた新宿の建物まで行ったよ。今だから言えるけど、どんなものを作ってるのか気になってゴミ箱をあさったの(笑)」

 なお「アドン」を創刊した編集長の南定四郎は、日本におけるゲイリブ運動の先駆者だ。そんな南の人権意識を反映して、「アドン」の誌面も徐々にポルノ色を廃し、HIVについて情報を発信するなど、啓蒙色を強めていったという。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年3月号

欲望の美人学

欲望の美人学
    • 【美人コンテンツ】炎上考現学
    • 複雑化する【ミスコン】批判の論点
    • 【ミス・ユニバース】の問題点
    • 【世界で最も美しい顔】の胡散臭さ
    • 【柳美稀】が魅せた美グラビア
    • 進化する【美ジネス】の最前線
    • 【整形大国・韓国】の顔採用事情
    • 【ブス作品】とルッキズムの関係
    • 傑作【ブス主人公】作品レビュー
    • 【スダンナユズユリー】がネオ・レディースに!
    • 【ディスニー・プリンセス】変遷の記録
    • 【キリスト教】の女性受容史
    • 【日本酒と美人】の意外な歴史
    • 知っておくべき【5大美人酒】
    • 【地域別美人言説】の謎を追う!
    • 【ジブリヒロイン】芸能界ドラフト会議

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ
    • 乃木坂の太陽【斉藤優里】が登場!

NEWS SOURCE

    • 自民党と【創価学会】の不協和音
    • 【沢田研二】だけじゃない空席問題
    • 脆弱な日本の【サイバーセキュリティ】

インタビュー

    • 【是永瞳】大分から来た高身長ガール
    • 【六道寺】特攻服のママさんシンガー
    • 【ちぃたん☆】絶賛炎上中のゆるキャラ

連載

    • 【園都】サウナーなんです。
    • 【平嶋夏海】美尻アイドルの偏愛録
    • 【88rising】世界戦略の真実
    • 深キョン熱愛ショック!【恭子から俺は!!】
    • 世界中で議論される【AIと倫理】
    • 高須基仁/【エロ】の匂いを消すこの国に抗う
    • 映画【盆唄】に見る人々のたくましさ
    • 【ファーウェイ】創業者の素顔を追う
    • 【ブラック・クランズマン】に思うファンクとディスコの70年代
    • 町山智浩/【バイス】ブッシュを操る副大統領
    • 厚労省の【不正統計問題】と統計軽視の代償
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人/【嵐】の夜に
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 稲田豊史/希代のマーケター【西野カナ】
    • 【アッシュ×スラッシュ】実弟が聞くキワどい話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ニコタマに地ビールを!【ママ友】たちの挑戦
    • 伊藤文學/【新世代ゲイ雑誌】の価値観
    • 更科修一郎/幽霊、【サイコパス】に救われたい人々。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』