サイゾーpremium  > インタビュー  > 【折坂悠太】平成最後の傑物が平成を歌う
インタビュー
あらゆる音楽が混在する平成の歌

【折坂悠太】「YouTubeが僕のリアル」出自のない平成最後の傑物による、普遍性と時代性が両立した平成の歌

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――平成が終わろうとしている今、その名も『平成』というアルバムが現れ、耳の肥えたリスナーから評価されている。同作を生み出したシンガーソングライターの折坂悠太、とんでもない逸材かもしれない。

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(写真/田川雄一)

 ブラジル音楽、ジャズ、レゲエ、カントリー、ヒップホップなどが並列に扱われながらも、フォーキーで良質な歌ものとして成立している。シンガーソングライター、折坂悠太のアルバム『平成』は、そんな稀有な作品である。さまざまなジャンルの音楽が等価なものとして混在するのは、平成元年生まれのYouTube世代ならでは、といえるだろう。宇多田ヒカルが折坂の音楽を愛聴しているのも納得のいく話だ。

「YouTubeが出始めの頃は、とにかく名前を聞いたものとか好きなアーティストの関連動画を見まくっていて。良い悪いは別にして、その環境って大きいと思います。『これ聴いてなかったら、俺どうなっていたのかな?』っていうものがゴロゴロ転がっていたから。『平成』のような音楽ができるのは、そういうことが大きい。ネットで拾ったもののコラージュというか。例えば、大自然に囲まれてこういう歌が生まれましたっていうのと同じで、YouTubeがあって街があってカラオケ屋があって、そこから生まれた歌というのも案外バカにできない。YouTubeが僕のリアルなんです」

『平成』というタイトルは、誰かが付けそうで誰もやらなかった感があるが、なぜこのタイトルを思いついたのだろう?

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