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第1特集
ウェブメディアとしての漫画村

マンガ業界を破壊に導く?――収益は1カ月1億円超えか!? 10億PV「漫画村」の【裏】錬金術

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――「ネット上に落ちている画像を機械で収集して保存しているウェブ型クローンサイト」という名目で、無料で数多くのタイトルが閲覧できる「漫画村」。著作権上の問題を指摘する報道が増える一方で、有料サービスのリリースを発表。摘発の可能性を伝える報道も増えているが……。

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『漫画村PRO』のスタートを予告する漫画村。

 年明けからメディアの報道も増え始め、NHKも2月に『漫画の危機!? 海賊版サイトの実態』と特集。さらには国会の予算委員会でも取り上げられた「漫画村」。無料で多数のタイトルが読めるうえ、競合サイトが摘発されたこともあり、莫大なPVを稼いでいる。一方、同サイトをめぐる報道が過熱する中、漫画村側は月額500円の有料サービス『漫画村PRO』をリリースすると発表。その宣言では「実は漫画家さんが無料で広告してくれたお陰で漫画村のユーザーが2ヶ月で一気に1・8倍になったんだクマ」と挑発的な文言も掲載している。ここでは、違法性云々という話は司法の判断に委ね、同サービス運営者と接触した関係者らの話などから、収益モデルほか“メディアとしての漫画村”の実態を見ていきたい。

 まず、漫画村のサイトの作り方や広告の配置などは、同業者の目にはどう映るのか? 複数のサイト運営経験を持つウェブプロデューサーは次のように話す。

「漫画村のスマホ版は、オーバーレイ広告(ウェブ広告の一種)の表示がすごくゆっくり。誤クリックを誘うこの出し方は、いやらしいなと思います。ただ、バナー広告の置き方もとてもスマート。もっと露骨な置き方ができるのに、それをしないのは、『快適にマンガを見られるサイトにしたい』という意図が運営者にあるからなのでは? すでに膨大なPVがあるからこそ、この程度の広告の置き方でもしっかり収益を上げられているのかもしれませんね」

 広告以外の部分でもサイトの作りはとても丁寧に見えるそうだ。

「マンガのカテゴリーもちゃんと分けられているし、その分け方も細かすぎず、最低限かつ適切。あとは『青年マンガ系』『日常系』『ギャグ系』などタグもきちんと付けているなと思います」(同)

 マンガのあらすじなども丁寧に紹介されている。複数のサイトの構築や運営に関わってきたウェブエンジニアは、「このあたりはAmazonや版元のサイトから自動で抜いてくることもできるはず」と語る。

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