サイゾーpremium  > 特集  > アダルト  > 【新宿二丁目】アンセム事情

――こちらの記事ではヒップホップと同性愛文化の変遷を見てきたが、ゲイ・カルチャー、とりわけ音楽の分野において、ゲイと相性がいいと言われているのは、ディスコやハウス、ミュージカルといったジャンル。ヒップホップ好きのゲイというのは、あまり耳にしないのも事実だが……。

1611_flyer.jpg
あでぃぽい氏が新宿二丁目で主催している『日本語ラップナイト』のフライヤー。大学時代にラップにのめり込んだことが、カミングアウトをするきっかけになったという。

 本誌16年7月号に登場したラップグループ、西新宿パンティーズのメンバーで、ゲイを公言しているラッパー、あでぃぽい氏は、「ラップの歌詞に同性愛者を見下す言葉が出てきてムカつくこともあるけど、やっぱり好きで聴いてしまう」とインタビューで語った。そんな日本語ラップをこよなく愛する氏に、ゲイとヒップホップについて本音を語ってもらった。

あでぃぽい「兄の影響でヒップホップを聴き始めて、最初はDJになろうと思っていたんですが、大学でラップをするようになりました。2012年には、新宿二丁目で日本語ラップ主体のイベント「日本語ラップナイト」をスタートさせたんですが、ゲイのヘッズ(ヒップホップ好き)は本当に少ないんですよね。キングギドラが同性愛者を差別した「ドライブバイ」騒動【編註:02年、「ニセもん野郎にホモ野郎 一発で仕止める言葉のドライブバイ」という歌詞が問題となり、CDが回収となった】があったり、ヒップホップとゲイ・カルチャーは、なかなか相容れない関係なのかなと。二丁目のイベントは、『それでもヒップホップが好きだ!』というゲイの仲間たちと始めました」

 歌詞に同性愛者を揶揄するような言葉があるジャンルにおいて、イベントではどのような曲がプレイされるのか。また、必ず盛り上がるアンセムのような曲は存在するのだろうか?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年11月号

「異形と異端」が 動かすニッポン論

「異形と異端」が 動かすニッポン論
    • なぜ、我々は横浜流星に惹きつけられるのか?
    • なぜ、『べらぼう』は異形の大河なのか?
    • [特別対談]立花孝志×上念司
    • 参政党は叩かれて強くなる!
    • [対談]安田淳一監督×阪元裕吾監督
    • “因習村”源流としての金田一
    • 日本一早いプロ野球順位予想

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【かとうれいこ】27年ぶりの写真集発売、レジェンドがグラビア復帰を決断した理由
    • 【Small Circle of Friends】切なさと力強さ。正しさと優しさ。アズマとサツキの絶妙ブレンド。
    • 【日爪ノブキ】仏で国家最優秀職人章に認定された男が推し進める「人類帽子計画」
    • 俳優生活11年、木竜麻生の現在地
    • 超大物アーティストが愛用する シルバージュエリーブランド──「サーティーンデザインズ」代表インタビュー

連載

    • 【マルサの女】橘 和奈
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • GROOVE SEQUENCE──NJSとLDHの親密な関係値
    • 【特別企画3】マッチングアプリが変えた恋愛の価値観
    • 乙女たちの官能界隈
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ