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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第95回

製作と流通の分離がカギ……映画草創期の拡大過程とネットメディアの相似形

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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『ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(NHK出版新書)

 ネット上にメディアが生まれて以降、その流通の形は大きく変化し続けてきた。この変化は、映画ビジネスの発展の流れとよく似ている。製作と上映(ディストリビューション)の分離と協業、それはつまりSNSとコンテンツ企業の関係そのものだ。この考えから、ネットメディアの発展のひとつの形態を考えてみたい。

 20世紀初頭の映画の草創期と、今のインターネットのメディアの状況はよく似ている。映画はフランスのリュミエール兄弟が1895年に初めて上映し、20世紀に入って大きく進化し普及した。テクニックでいえば、当初は「舞台上で行われていることを正面からカメラで撮影しているだけ」というものでしかなかったが、20世紀に入って米国のデヴィッド・グリフィス監督がクローズアップやクロスカッティングなどの映画独自の表現方法を開発し、これによって俳優の演技も大きく変わり、舞台芸術から映画を独立させた。

 ビジネスの面では当初、製作した会社が自前の映画館だけで公開していた。しかしある頃から「ほかの人が映画館を運営してくれれば、そこからの収入も期待できるんじゃないか」「海外にも映画館を展開できるのでは」と映画業界は気づく。

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