サイゾーpremium  > 特集2  > 【芸能プロ女性スタッフ】座談会

――さて、今回の騒動を実際に芸能の現場にいるマネージャーたちはどう見ていたのだろうか? マネージャーという職業に就く方々に集まってもらい、芸能界の裏方として、そして女性の生き方として今回の騒動についての意見を聞いた。

1603_smap_07.jpg
かなり事務所寄りに報道されたが、違和感を覚えたスタッフが多かった様子。

A:40代・大手芸能事務所
B:30代・中堅芸能事務所
C:30代・音楽系プロダクション

――今回の騒動は、SMAPの飯島三智マネージャーの独立が発端になりました。そこでここでは、女性に限定して芸能マネージャーさんにお集まりいただき、芸能マネージャーから、そして女性という立場から今回の騒動をどう見ていたかをうかがいたいと思います。まず、みなさんは今回の騒動をいつぐらいに知りましたか?

A ちょうど1年前ですね。2015年1月の「週刊文春」(1月29日号)が、メリー喜多川副社長のインタビューを掲載した頃で、そのときは飯島三智マネージャーだけが退社するという話でしたが。

B 私が聞いたのは昨年の夏頃で、飯島マネージャーについていく形でSMAPも田辺エージェンシーかケイダッシュかに円満移籍するのではないか、という噂になっていましたね。あくまでも25周年のドル箱のコンサートツアーが終わったあとだと思っていましたけど。

C うちもその頃です。音楽系アーティストを抱えているので、ジャニーズ事務所にお家騒動があるとジャニーズ事務所の息のかかる『ミュージックステーション』(テレビ朝日)への出演枠にどう影響するかなど、関心事が多いんです。『SMAP×SMAP』(フジテレビ)へのプロモーション出演も数カ月単位で打ち合わせしているだけに、いざ、お家騒動となったときに巻き込まれないように早くからマーケティング担当者がリサーチを入れていました。

A 騒動勃発はいつかと注視していたんですが、表沙汰になったのは結局今年に入ってからの1月12日で、年末年始に休暇をとるために収録された番組の撮り溜めがほぼなくなり、新年の収録が始まろうかという時期。『SMAP×SMAP』でいえば、新年の初収録(6日「ビストロSMAP」)と、次の収録(21日)の間で事件を収束させた。テレビ局にはほとんど迷惑をかけないで騒動を終わらせる、ジャニーズ事務所の力技に驚愕しました。

“ビジネスの独立”か”家族愛”か

B 唯一の失敗は、SNSの存在。一昔前であれば芸能メディアを押さえれば情報のコントロールは完璧だったのに、今はSNSなどで虚実ないまぜとなったジャニーズ事務所の動きが一気に拡散してしまう。例えば、芸能ニュースの配信元を押さえても、記事をコピーしたブログや大元のメディア担当者も把握していないような、無数の配信先メディアがあるからね。今回の騒動でジャニーズ事務所のダメージは計り知れないと思う。メリー喜多川と娘のジュリー景子のマスコミコントロールと芸能プロダクションのブラックぶりが白日の下に晒されてしまった。

C かといってSMAPのダメージも大きいですよね。SNSで語られた今回の解散騒動は、育ての親と言われる女性、飯島マネージャーに、恩義を感じてついていこうとした中居正広ら4人のメンバーと、それを裏切った木村拓哉という構図になってしまった。キムタクは裏切り者の悪玉に、出戻りの中居君も“言うだけ番長”になってしまった。中居君たちは飯島マネージャーとかっこよく独立しちゃえばよかったのに。

A でも事務所は、出るに出れないですよね。芸能界では、事務所を裏切る形での独立は御法度。特にジャニーズの場合は、例えば元KAT-TUNの赤西仁の“円満独立”でも、CD販売やコンサートのチケット販売などでジャニーズに配慮した大手の協力を得ることができなくなり、楽曲配信しかできなくなったというのは有名な話。

 中居君たちにしても飯島マネージャーとかっこよく独立した途端、テレビメディアから、もともと芸能界に存在しなかったものとして扱われたに違いありません。事務所への裏切り行為を許していたら、ほかのタレントへの示しがつきませんからね。

B 今回の話を聞けば聞くほど、飯島マネージャーだけが悲劇の主人公のようになっていますけど、ジャニーズの威光を笠に着ていた彼女も現場ではかなり怖い、要注意の存在だった(笑)。女性マネージャーにとっては憧れる面もありましたけど。

 ただ、疑問なのは飯島マネージャーが行ったとされるSMAP独立の根回しが中途半端で、さらに、独立後のビジネスモデルも見えてこないところです。飯島マネージャーは同事務所を退社後、IT系(ソフトバンク系?)でマーケティングの幹部に転職するという噂もあるように、もともと今後のSMAPの展開を、ジャニーズではNGとされているインターネットを駆使してやりたかったといわれています。ですが、そのやり方にしても、そもそもキムタクがついてくるかどうか……。俳優業でいくしかないキムタクには、イメージ戦略的にNOをつきつけられることが十分に予想できると思います。つまり、これまで彼女はSMAPを輝かせる名マネージャーだったのに、今回は失敗の連続なんです。とうてい、“ビジネスを見据えた独立”といえるものではない。

A 独立後のビジネスモデルは私も気になったところで、特に中居君の動向が不可解でした。SMAPのリーダーといえば、中居君ですからね。もともと飯島マネージャーがひとりで退社しようとして、中居君がついていくと決めたという話ですが……。中居君がついていくならほかの3人もということだったのでしょうけど、あのクレバーな中居君が独立した先に、どんなビジネスモデルを見ていたんだろうと。中居君は凡ミスとか衝動的な行動を取るとは考えられないタイプ。もちろん、表に出てきていない登場人物が暗躍し、中居君に働きかけていたことは想像できるんだけど……。

女性としての人生vs仕事としてのキャリア

1603_smap_08.jpg
激写された数少ない飯島女史の写真。この笑顔が戻る日は……。

――女性マネージャーとしての視点からは、どう見えましたか? 男性タレントのマネージャーは女性のほうが向いているなどといわれることもありますよね。

C 確かに、母親が息子を愛するように、女性マネージャーが男性タレントを育てるのは母性が高まって、気持ちも入りやすいですよね。女性マネージャーの間では、福山雅治を発掘したアミューズの市毛るみ子氏とSMAPを育てた飯島マネージャーは憧れの存在ですから。

A 女性タレントだと喧嘩・対立しやすいけど、男性タレントは女性マネージャーに優しいし。本来は、マネージャーはタレントを育てていくけど、自分のものではなく、芸能プロダクションのものという一線はあります。ジャニーズ事務所もSMAPはジャニーズのものだけど、功労者の飯島マネージャーにはジェイ・ドリームという別会社は作ってあげるというくらいのものだった。これまで、のれん分けで円満独立できるのは、男社長のプロダクションしか例がないですしね。

B そこにジャニーズ事務所の跡目相続の問題が起きた。ジュリー景子氏との女同士のSMAPの奪い合いですね。飯島マネージャーとしては25年もの間、SMAPを担当すると家族愛のようになってしまい、私が尽くしてきたSMAPは一緒に出ていくのが当然と思い込んでしまった。そこはビジネスではなく家族愛というものだったのかもしれませんね。

C そこはよくわかりますね。芸能界はしょせん男社会。特に女性マネージャーが信頼を得るようになるのは、30代以降で、どんどん仕事が自由にできて、充実感も得られるようになる。一方で、それを求めると結婚しない、出産しないという女性としての人生を捨てるかどうかが迫られるようになる。私にはそこまでできないけど、SMAPくらいの一線級タレントになれば、仕事を選んでしまうかもしれない。でも、そのときにはSMAPを家族として見てしまう……。

B まさにそのキャリア問題は私も悩んでいて、芸能マネージャーとしては、次から次に企画案が持ち上がってくるし、プロジェクトやマーケティングは半年先の話が進んでいる。まだ結婚もしていないけど、「これでいつ私、産休とるんだろう」って思う。最近、同僚ができちゃった婚したけど、やはり衝動的にするしかないよなって思ってしまいますよね。

A 確かにうちのプロダクションも、女性マネージャーは独身の人が多い。男性マネージャーはみんな結婚して、離婚して、再婚してと忙しいけどね。

C 私は最後に、飯島マネージャーは女性マネージャーの憧れの存在だから復活を待っていますと言いたいですね。いったんIT系に転職して、人脈を作って、ITを中心にしたビジネスモデルを再構築して、SMAPを引き抜いてほしい。

 どうせ、来年以降はジャニーズ事務所による飼い殺しが始まるだろうから。今回の騒動はその伏線にすぎないんじゃないかな。

(文/松井克明)

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年6・7月号

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論
    • 音楽業界からの【賛辞と批判】
    • 【芸能プロ】的戦略が抱える2つの“矛盾”
    • 令和の【ジャニーズ・シングル】20選
    • 20年代のジャニーズ【ミュージックビデオ】

移ろいゆくウクライナ避難者

移ろいゆくウクライナ避難者
    • 移ろいゆく【ウクライナ】避難者

NEWS SOURCE

インタビュー

サイゾーパブリシティ