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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第89回

ストリーミングサービスがもたらす「プレイリスト」至上主義という功罪の行方

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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『5000 SONGS プレイリストで楽しむ私的名曲セレクション』(ヤマハミュージックメディア)

 ストリーミングサービスが普及するにしたがって、音楽の楽しみ方が変わってきている。ミュージシャンが収入を得られるようになる可能性が広がる一方で、カネにまみれたプロモーション合戦に飲み込まれつつある事態も起きている。その根幹にある「プレイリスト」という考え方をあらためて検分してみたい。

 プレイリスト・マーケティングという用語が、アメリカの音楽業界に現れている。プレイリストというのは、楽曲を並べてリストにしたものだ。もともとはiTunesなどのアプリで、ユーザーが自分の好きな楽曲を集めてプレイリストにして個人として楽しむというようなものだった。しかし最近のストリーミングサービスでは、こうしたプレイリストがパブリックに公開され、楽曲中心ではなく、お気に入りのプレイリストを中心にして聴かれるというスタイルが台頭してきている。

 そしてストリーミングが音楽の主流になるにつれて、プレイリストの持つ重要性が、にわかに浮上してきているのだ。振り返ればレコードからCDに至る「盤」の時代は2000年代初頭、iTunesの普及と共に終わり、以降10年にわたって音楽はネットで1曲ごとに配信する時代に変わった。しかし06年にスウェーデンで生まれたスポティファイが欧州、そして米国を席巻するようになり、米国からはパンドラというインターネットラジオのサービスが始まり、10年代には定額配信のストリーミングが普及していくことになった。日本ではこの流れがかなり遅れていたが、今年になって国産のAWAやLINEミュージックがスタートし、続いて大本命のアップルミュージックも始まって、ようやくグローバルの流れを追いかけようとしている。

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