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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【37】

元“酒鬼薔薇聖斗”から考える「更生」とはなんなのか?

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

今月のニュース

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大阪中1男女死体遺棄事件
2015年8月、行方不明となっていた大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人が相次いで遺体で発見された。大阪府警は、山田浩二容疑者(45)を死体遺棄容疑で逮捕。同容疑者は当初殺害を否認し、その後は黙秘している。同容疑者が02年に少年に対する監禁・傷害事件を起こして服役していたことや、福島県で除染作業に従事していたことなどが大きく報じられた。


 重大な事件、中でも性犯罪がらみの殺人が発生するつど、メディアによってクローズアップされる要素のひとつに、犯人の犯罪歴があります。まさにその典型が、2015年8月、大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人が遺体で発見された事件でしょう。刃物で数十カ所も切りつけた上で殺害するというむごたらしい犯行内容もさることながら、死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者が、02年にも少年に対する同様の監禁・傷害事件を起こして服役していたこと、すなわち再犯者であることに社会的関心が集中しました。

 そうしたとき、国民の間で必ず巻き起こるのが、なぜそんな危険人物を野放しにしたのか、犯罪者の矯正や再犯防止策はどうなっているのか、といった刑事司法制度のあり方に対する強い批判と不満です。その意味においては、再犯事件ではないものの、1997年に兵庫県神戸市で発生した連続児童殺傷事件の加害者である元少年Aが、15年6月に事件に関する手記『絶歌』(太田出版)を上梓し、さらに9月にはホームページを開設したことに対して、国民が示した反応も同様でした。罪のない児童2人の命を奪っておきながら今も生きながらえ、反省の色が見られない少年Aの言動に対し、多くの人が怒りを覚え、結局のところ彼はまったく更生などしていないのではないかという不安を抱いているようです。

 しかし結論からいえば、そのような非難や危惧は的外れなものです。ただしそれは、罪を犯した者が、どのような法制度のもとに矯正され、出所後にどのような生活を送っているか、という実情を知ってようやく理解できること。そこで今回は、知られざる“犯罪者の出所後”に焦点を当てつつ、日本の刑事司法における“更生”とはいかなるものであるかについて考察したいと思います。

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