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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【25】

高1女子"首切り"事件の普遍性と更生可能性

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

今月のニュース

「長崎で猟奇的事件発生」
2014年7月、長崎県佐世保市の公立高校1年の女子生徒が、ひとり暮らしの自宅マンションで同級生の女子生徒を絞殺し、遺体を切断する事件が発生。加害少女は逮捕後、「人を殺してみたかった」などと供述した。加害少女が同年3月、父親に大ケガを負わせていたことや、加害少女を診察した精神科医が同年6月、県の相談窓口に「人を殺しかねない」と伝えていたことなどが明らかになっている。
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人を殺してみたかった―17歳の体験殺人!衝撃のルポルタージュ (双葉文庫)

 本来ならば今回は、前号「裁判員制度導入で"得"をしたのは誰か?」の後編を展開する予定でした。そこに飛び込んできたのが、長崎県佐世保市の高校1年の女子生徒が同級生を殺害して遺体を解体したというショッキングなニュース。そこで急遽予定を変更し、今回はこの一件について論じたいと思います。

 事件が発生したのは2014年7月。その凄惨な犯行内容や「体の中を見たかった」などの加害少女の逮捕後の供述、さらには加害少女が小学6年時に学校給食への異物混入事件を起こしていたことなどが明らかになるや、メディアやネットでは、19 97年に兵庫県神戸市で児童5名を殺傷した当時中学3年の"酒鬼薔薇聖斗"や、04年に同じく佐世保市で同級生をカッターナイフで殺害した当時小学6年の女子児童などを引き合いに、「モンスターの再来」「更生は不可能」など、加害少女の"異常性"を強調する意見が多く見受けられました。

 しかし私は、そうした主張には同意できない。というのも今回のような事件は、数こそ少ないものの専門家の間ではよく知られたパターンであり、どんな人間でも起こし得る"普遍的"なものだからです。事件についてはまだ調査中ですが、現時点でこの事件をどう解釈すべきかについて述べておきましょう。

 その前に、そもそも昨今の少年犯罪がどんな傾向にあるかについて簡単に整理しておきたいと思います。警察庁の統計によれば、刑法犯として検挙された少年の数は04年以降10年連続で減少し続け、13年には5万6469人。これは、04年の13万4847人の42%に満たない数です。また、04年に1584人だった凶悪犯(殺人・強盗・放火・強盗)の数も、13年には786人にまで激減しています。一般に少年犯罪は増加・凶悪化していると信じられていますが、現実としては完全に逆なのです。

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