サイゾーpremium  > インタビュー  > 【ぱいぱいでか美】ライブハウスで”イロモノ”が熱い!?

――不況と言われる音楽業界だが、なにもかもが終わってしまったわけではない。明日のブレイクを夢見る若者が活躍するシーンの中で、最近話題の、あるアーティストがいるという。

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(写真/神藤 剛)

「あどけない顔つきとFカップボディ」という触れ込みでツイッターのフォロワーが5000人超え。シンガーソングライターの大森靖子にかわいがられ、熱烈なハロプロヲタ(嗣永桃子推し)であるというミュージシャン・ぱいぱいでか美にインタビューを申し込んだら「アルバイトがあるから」という理由で延期になった。数日後、ハロヲタの聖地・中野での取材となったが、彼女自身は中野とは縁が薄いという。

「暇な日は一日中家にいるので、外にはあまり出ません。テレビを観ているかツイッターをしているか。タレントでは有吉弘行さんが好きです」

 そのあられもない名前でとっつきにくい人を予想していたが、実際は普通の女の子のよう。さて、ぱいぱいでか美とは何者だろう? 23歳の彼女は、普段はオムライス屋で週に5日、朝の10時から15時まで働いているという。ライブがある日は、ライブハウスに行き、「トキメキ蟻地獄」や「ぼくがおっぱい大きくしてあげる」などの曲を歌う。都内を中心に年間100本に及ぶライブをこなし、着々と動員を増やしている。そんな彼女がその名前でライブハウスのステージに立つようになったのは、故郷・三重県から音楽専門学校に入るために上京したことがきっかけだった。

「地元が本当に田舎だったから、おしゃれなサブカルっぽい文化が全然入ってこなかったんですよね。だからあのまま残っていても、ギャルになるか腐女子になるかしかなかったんです。それはまずいと思って」

 今はやりの「地下アイドル」のような衣装をまとう彼女。自身もあこがれたアイドルになりたかったのか? と聞くと、それを否定する。

「アイドルを名乗れるほど全然かわいくないので、自称"バンドウーマン"ってことにしています。その枠なら一応かわいいってことにしてくれるんじゃないかっていう姑息な考えで」

 そんな彼女が敬愛するのがシンガーソングライターの大森靖子。ハロプロ好きという共通点もあり、大森からも楽曲提供を受けている。

「大森さんのことは本当に尊敬しています。私が家賃を滞納するほど極貧の頃は、ライブにタダで入れてもらったり、本当にお世話になっていて。大森さんの活動を見ていると、音楽を誰かに聴いてもらうためには、とにかく話題を作ることが大切だということを教えてもらえるんです」

 確かに、ライブ中にファンとキスをした大森靖子や、全裸PVで話題をさらったBiSなど、破天荒であることを売りにした女性アーティストが、アイドル/バンド/アーティストの枠を軽々と越えた結果、ライブハウスシーンはここ数年で最もカオスな状況になっているようだ。

「アイドルとバンドが同じライブに出ることが、珍しくなくなってます。それは大森さんやBiSがめちゃくちゃにやってくれたおかげで、私がこんな名前で活動してもお客さんが受け入れてくれていて。とにかく印象に残ることが大切なんですよね」

 彼女のブレイクとシンクロするように、「尼崎が生んだ昭和ピンク歌謡界の貴公子」リバーシブル吉岡や、「下ネタのナポレオン」クリトリック・リスなど身もふたもないプロフィールのバンドマンたちもにわかに注目されている。

「私自身も含め、イロモノと言われるかもしれないですけど、クリトリック・リスのライブはめちゃくちゃおもしろいし、とっつきにくいかもしれないですけど実際にライブハウスに来て、観てほしいです」

 これからの夢を聞くと「23歳のうちにバイトをやめて、音楽だけで生活したい」とさわやかに語り、取材は終了。ライブ出演のための謎の荷物を抱えた彼女は、下北沢に向かっていった。

(文/竹下ジャパン(甘噛みマガジン))

【拡大画像はグラビアギャラリーでご覧いただけます。】

ぱいぱいでか美(ぱいぱいでかみ)
1991年、三重県生まれ。ライブ活動を中心に、アイドルDJなどの活動をする。歌手になるため、専門学校入学と同時にバンド活動を開始。2014年には、大森靖子のプロデュースにより、シングル、アルバムをリリースしている。
オフィシャルサイト〈http://paipaidekami.web.fc2.com

『レッツドリーム小学校』
今年6月に発売されたぱいぱいでか美のファーストアルバム。マイネームイズうがい(どついたるねん)、澤部渡(スカート)など、インディーズシーンで活躍するアーティストによる書き下ろし全11曲を収録。また、川本真琴も自身の未発表楽曲を提供している。80年代的な感性と現在のギークカルチャーを混合させたアートワーク、ドリーミーな楽曲と低くフラットした彼女の声のマッチングが秀逸。
発売/My Best! Records 価格/2200円(税込み)

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