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第1特集
財政とナショナリズムの共犯関係【2】

訴訟リスクなしの錬金術は、いつまでもつ!? 「嫌韓・嫌中」で週刊誌は売れるのか?

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――嫌韓嫌中ネタをひねり出すことで、なんとか延命治療を図る出版業界。だが、ブームに乗っかり、書きたい放題のメディアに、商業誌の、そしてジャーナリズムとしての未来はあるのか!? 自らもそうした記事にかかわっているライターが、取材の中で感じた一抹の不安を吐露した。

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嫌韓・嫌中へのオドロオドロしい煽り見出しが立ち並ぶ週刊誌。

 韓国のハンギョレ新聞は、日本の“嫌韓”ブームを分析し、「週刊誌の“韓国叩き”さらに露骨に」という記事を掲載したことがある。同記事は、「嫌韓・嫌中ネタがなければ雑誌をつくれないというのは、笑い話ではない」とし、「売れるから」「訴訟リスクがないから」「すでにある記事をまとめるだけで簡単だから」と、“嫌韓・嫌中”をメディアが重宝する理由についてもまとめている。

 自らもそうした記事にかかわったことのある筆者は、確かにその通りなのかもしれない、と感じている。というのも、ここ数カ月、関連取材をしていて、記事で指摘されたような話を、当の編集者たちから何度も聞いたからだ。さすがに「記事を作るのが簡単だから」という話こそ聞かないが、「訴訟リスクがない」「売れる」という話は、業界内の共通認識となっている。

 逆に、いくらブームであっても、根拠のない事実は掲載されていないことも、あらためてわかる。もちろん歴史問題などは立場によって見解や主張に差が出るためその限りではないが、特に大手誌や書籍では、取材をしてデータを作成する作業に関して、“嫌韓・嫌中”といえども手は抜いていない。むしろ「韓国人も知らない」と思えるような資料まで揃えるあたりは、日本のメディアの能力として誇るべきだろう。

 ただ、「“嫌韓・嫌中”報道が、アジア情勢を見る上でためになるのか」と問われれば疑問が残る。加えて、雑誌ジャーナリズムの機能がなくなりかけていると危惧せざるを得なくなる。そもそも雑誌や書籍は、新聞やテレビが追わないネタを追うメディアで、これまでの日本の雑誌にジャーナリズムがあったかどうかはわからない。だが、だからこそ、権力化するメディアも含めて監視したり、誰もが問題だと思っていない現象を“問題化”して議論を呼ぶ力があるり、社会的に必要なのだろう。

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