サイゾーpremium  > 連載  > 友達リクエストの時代  > 【連載】小田嶋隆の「友達リクエストの時代」
連載
友達リクエストの時代【第6回】

友情とは子どもとヤクザにしか存在しないのか 反社会性と友情の関係

+お気に入りに追加

SNS隆盛の昨今、「承認」や「リクエスト」なるメールを経て、我々はたやすくつながるようになった。だが、ちょっと待て。それってホントの友だちか? ネットワーク時代に問う、有厚無厚な人間関係――。

1305_az_dorobou.jpg
『泥棒日記』(新潮文庫)

 泥棒作家として名高いフランスの文豪、ジャン・ジュネは、その著書「泥棒日記」の中で、

「ヤクザというのは、要するに子どもなのだ」

 という一文を書き残している。彼自身がその長い刑務所生活の中で出会ったマフィアの男たちは、どれもこれも、成熟には遠い人間だったというのだ。

 その点、泥棒は違う……と、ジュネの奇天烈な自慢話は続くわけなのだが、その話はまた別の主題になるので、ここでは触れない。大切なのは、「ヤクザは子どもだ」というジュネの観察だ。

 もうひとつ、ヤクザについて語られた言葉で、私が印象深く記憶しているのは、『仁義なき戦い』の原作者である飯干晃一が、その著書(タイトルは失念)の中で、繰り返し述べていたものだ。

「ヤクザは男の理念型だ」

 と、飯干晃一は言っている。

 この2つの言葉を鍵に、今回は、「友だちとヤンキー」について考えてみたい。

 結論を先に述べれば、私は、友だちというのは「ヤンキー」ないしは「子ども」の世界の特産物であるというふうに考えている。特に、男性である我々が心に描く「友だち」の心象は、利害を超越した、絶対の信義と生死を共にする存在で、ということはつまり、これは、任侠の世界の生き物なのだ。

 友だちは、少なくとも、大人の人間同士の関係ではない。なぜなら、友情の前提となる信義と献身は、然るべき合理性を欠いているからだ。それどころか、友情は、それを脅かすものに対して命がけの牙をむくという一点において、反社会的ですらある。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年10・11月号

伊織いお「パワフル&セクシー」

 伊織いお「パワフル&セクシー」
    • 【伊織いお】ボディメイクで鍛えた体!

(秘)読書案内

(秘)読書案内
    • 【YouTuber本】ヒット戦術
    • 【RYKEY DADDY DIRTY】ムショ読書
    • 【イスラム】を理解するための本
    • 尖端的すぎる【写真集】
    • 【フェティシズム】写真集の華麗なる変遷
    • 【スピリチュアル出版社】イチオシの本
    • 【エロ本】衰退史
    • エロ本業界の【歴史】がわかる参考文献
    • 【現代のエロマンガ家】の4冊
    • 【ヒップホップ文化】を学ぶ本
    • 17歳の【新鋭ラッパー】に聞く
    • 今流行りの【中国ミステリ】の世界
    • 占領下生まれのイビツなニッポン【図書館】

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】高崎かなみ
    • 【高槻実穂】グラビア
    • 【藤木由貴】グラビア
    • 【グレイテストラウンドガール】プールパーティ
    • 【後藤直義】GHOST IN THE TECH
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【稲田豊史】オトメゴコロ乱読修行
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【クロサカタツヤ】ネオ・ビジネス・マイニング
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【田澤健一郎】体育会系LGBTQ
    • 【澤田晃宏】外国人まかせ
    • 【大石始】マツリ・フューチャリズム
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【DJ DARUMA(PKCZ(R))& JOMMY】BLACK PAGE
    • 【友清哲】ビールの怪人
    • 【西国分寺哀】大丈夫?マイ・フレンド
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【更科修一郎】批評なんてやめときな?
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報