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五輪で儲かってボーナスが3桁に!?

民放各社が赤字転落した五輪放送でなぜか"電通"が一人勝ちした理由

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──史上最多の38個というメダルを獲得し、8月12日に幕を閉じたロンドン五輪。その余韻も過ぎ去った9月21日、ある記事が報じられた。

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『ロンドンオリンピック総集編』(朝日新聞出版)

「ロンドン五輪、民放全体で初の赤字 放送権料高騰響く」

 これはロンドン五輪の民放全体の収支がマイナスとなったことを伝えるものだが、五輪の放送権料は、大会ごとに高騰を続けてきた。2010年のバンクーバー五輪と12年のロンドン五輪の2大会に対し、日本はIOC(国際オリンピック委員会)に、325億円という莫大な放送権料を払っているのである。それでも、民放は有力スポンサーから広告料を集めることで収支を保ってきたのだが、本誌8月号で警鐘を鳴らした通り、今回のロンドン五輪に至って、そのビジネスモデルがついに破綻したことが明らかになったわけだ。

 だが、14年ソチ五輪と16年リオデジャネイロ五輪の放送権料もすでにIOCと契約済みであり、NHKと民放が共同で放送権料の交渉にあたる組織JC(ジャパンコンソーシアム)は360億円を支払うことが決定、1割も金額がアップしていることになるのだ。両大会とも日本とは時差も大きく、よほどの景気の好転でもない限り、再び赤字となることは火を見るよりも明らかだろう。

MEMO赤字転落
日本人選手のメダルラッシュにより閉会したロンドン五輪。だが、試合中継の視聴率は北京五輪よりも低く、民放は赤字を計上したという。だが、試合中継のCM枠を埋める電通だけは、高収益を記録したというが、そのカラクリはいびつな放送権料にあったという──。

 さて今回の記事は、そもそも9月20日に行われた民放連(日本民間放送連盟)の井上弘会長の記者会見を受けてのものだった。メディア業界紙「日刊合同通信」より、その会見の内容をさらってみよう。

「今回の五輪は大変な盛り上がりを見せ、民放・NHKとも過去最大の放送時間で感動を伝えられたと思う。ただ、時差の関係もあり、視聴率は北京五輪より若干低下、また残念ながら初の赤字となった。放送権料は今後も下がるまいが、赤字だからといって五輪放送を止めることにはならないだろう」

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