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連載
佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第51回

「LINE」爆発的普及の裏にあるガラケー文化の巧みな利用法

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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送るスタンプを選んでタッチしたその瞬間には、もう相手に送信されている。この速さはこれまでのメッセージングアプリにはなかったものだ。ただし、送り間違いには注意!

 使ったことはなくとも、多少ITや新サービスに興味があれば聞いたことはあるだろうスマホアプリ「LINE」。NHN Japanによって開発されたこのアプリは、なぜこれほど話題を呼び、ユーザーを増やしているのか? 久々の日本発のヒットサービスとなりそうな、このアプリのすごさを探る。

 LINEというアプリの成長ぶりが今、IT業界で話題騒然となっている。

 LINEは、NHN Japanが開発した、スマホ向けのメッセージングアプリだ。NHNは韓国企業で、元の社名をハンゲームといった。検索エンジン「NAVER」を運営していることで有名で、日本でも「NAVERまとめ」というキュレーションサービスが人気を集めている。最近では、ライブドアを買収したことでも知られる。LINEはこの会社のサービスだが、日本法人主導で開発されており、実はほぼ純国産のアプリ。そしてLINEのユーザー数は、今すごい勢いで伸びている。国内のユーザー数は1800万人、世界ではなんと5000万人。今年4月以降、毎月500万人以上のペースで伸び続けており、グローバルプラットフォーム化に成功しつつあるといっていいだろう。

 このLINEの最大の注目点は、日本がかつて誇ったガラケー文化のエッセンスをうまくスマホの世界に持ち込み、「つながり」を軸としたコミュニケーションの演出に成功したことだ。

 持ち込まれたガラケー文化のエッセンスのひとつは「電話番号」であり、もうひとつは「スタンプ」だ。

 LINEはスマホのアプリだが、スマホっぽいところが全然ない。たとえば普通のスマホアプリだと、アカウントを取得するのにIDやパスワードを設定したり、フェイスブックやツイッターと連携させたりといった登録作業が求められるが、そういう面倒さはLINEからは排除されている。そもそもログインという概念さえ排されていて、即座に使い始められるようになっている。

 携帯電話というのは、非常に直感的なデバイスだ。ガラケー時代にはこの直感性が重要視され、だからこそ老若男女多くの人に使われるようになったといえる。日本が2000年代前半のガラケー時代にモバイル先進国となれたのは、こういう直感性を重視し追求したからではないか。ところがその直感性は、スマホの波の中で徐々に失われつつある。スマホという「モバイルのPC化」によって、モバイルにPC的なインターフェイスが持ち込まれたため、直感性が減少しているのだ。

 LINEはここをうまく乗り越えて、スマホアプリでありながらガラケー的な直感性を実現しているように思える。ログインの排除や電話番号をベースにしたメッセージングがそうだ。

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