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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第42回

職業政治家らが死守する既得権と地域主導化の光明【中編】

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日本初の減税措置と地方議員の既得権益

神保 それでは、議員定数の削減についてはいかがでしょうか。議員を少なくすると、各議員の負担が増えるという声もありますが、非営利の政策シンクタンク「構想日本」がまとめたデータによれば、ロサンゼルスは人口380万人に対し議員が15人。ロンドンは人口750万人に対し25人。名古屋市は、220万人に対し75人。こうして比較してみると、確かに日本は地方議員の数が多いですね。

河村 日本の地方自治はアメリカを模倣してつくられましたが、アメリカとは相違点があります。根本的に違うのは、アメリカの議会は、基本的に「ノンパーティザン(Non Partisan)」で、つまり無所属の個人がそれぞれに意思決定をするというルールがあるが、日本は政党中心の考え方で、個人の意思が見えてこない。

 たとえば、「議員の定数と報酬を半減する」とした条例案が否決された際も、73対1で否決され、賛成の一票は私の元秘書でした。調査費だけは使って議案も提出せず、いつでもまとまってアクションを起こし、主義主張に多様性がないのであれば、そもそも議員の数など1人か2人で十分です。

 百歩譲って議員数を減らすのが難しいというなら、フランスのパリのようにすべきでしょう。パリの人口は名古屋市とほぼ同程度で、議員は約2倍いますが、年間報酬は1人当たり日本円で600万円程度。これなら多くの議員がいても、報酬が安いため、入れ替わりも早くなります。

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