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第1特集
キンドルが普及すれば爆発的に増加!?

違法ダウンロードサイトでマンガの未来がわかる!!

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違法ダウンロードサイト

ネット上に存在する、マンガを1ページごと、場合によっては1コマごとにスキャンして違法にアップロードしているサイトのこと。一部で問題視されてはいるが、事実上野放し状態……。
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YouTube上では現在でも、多くの"職人"たちが『ONE PIECE』をアップロードし続けている。

 今年2月15日、動画投稿サイトYouTubeに、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の人気マンガ『ONE PIECE』などの最新話が、ご苦労にも1コマずつスキャンされ、雑誌発売前に投稿されていることが発覚、発行元の集英社が削除を要請するという事件が起きた。この際、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は「閲覧者は立ち読み感覚でアクセスしていると思うが、この事例は明らかな著作権法違反で悪質」とコメントし、ネットにおけるマンガの違法流通問題が広く一般に知られることとなった。

 ただ、今回の投稿が、ネット上における初めての"マンガ流出"というわけではない。発売前の流出というのはさすがにレアケースだとしても、違法音楽アップロードが問題になったのと同じ頃から、マンガの違法アップロードという問題は存在していた。その際の"流出現場"は、不特定多数の人間が自由にダウンロードできるようになっている「違法ダウンロードサイト」であった。

 一般的な違法ダウンロードサイトはブログの形を取るものが多く、毎日、新たなエントリーが追加されるたびに数タイトルのマンガがアップロードされていく。そこでは、誰もが読みたがる有名作品が読み放題……と思いきや、それはごくごく一部。その大半は「成年コミック」もしくは「18禁同人誌」だという。その種のマンガが、だいたい1エピソードごとに圧縮した状態でアップロードされていくのである。

 こうしたサイトに対して、出版社はどんな対応を取っているのだろうか?

「違法サイトを発見したら、サイトに設置されているメールフォームなどから、アップロードをやめてもらうよう警告文を送ります。すると、ほぼ間違いなく素直にデータを削除してくれますね」(成年コミック出版社編集者)

 では、こうした違法サイトの管理者とはどのような人物なのか? 統計などがあるわけでもなくその実態は謎に包まれているが、事情に詳しいあるマンガ編集者はこのように語る。

「『自分の持っているレアなマンガを自慢したい』といった人間が多いのでは。確かにアフィリエイトなどで広告収入を得ている者もいるのでしょうが、それでも、大きな利益を得るために組織的に運営されているようなサイトなど、ほぼ皆無でしょう」

 この種のサイトが問題視されることが少ないことの理由としては、大手出版社の有名作品は少なく、「成年コミック」「同人誌」という表立って権利を主張しづらいジャンルが多いことが、まず挙げられよう。しかし、前出の編集者によると、市場全体に対するユーザーの規模にも理由があるという。

「違法サイトを利用しているアクティブユーザーは、全マンガ読者の規模から見れば非常に少ない。だから、彼らが市場全体に及ぼす影響力などあまり問題視されてはいないんですよ」(同)

 また、この種のサイトが広まらないのには、マンガという表現の持つ特性も関係している。

「小説同様マンガも、今の日本ではまだ、紙で読むものだということですよ。そこが、携帯機器が広く普及しており、結果、違法ダウンロードサイトも腐るほど存在する音楽とは大きく事情が異なるところなんです。逆に言えば、キンドルなどが普及し、書籍もマンガも携帯機器で読むような時代になれば、単純にマンガがデジタル化するというだけでなく、マンガの描き方のフォーマットも、電子機器に合わせて変わるから、違法マンガサイトも、確実に増えるでしょうね」(コミック誌編集者)

 もはや不可逆といわれている電子出版への流れ。しかし、そのような時代が到来した時、出版社は、違法ダウンロードと闘うことになるのだろう。音楽業界がかつて同じように闘い、そして疲弊していったように……。
(有田シュン)

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